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MLB

対NPB初戦でみせた泥臭さ。ファーム新規参入球団「くふうハヤテ」が垣間見せた実力とこれからの課題

岩国誠

2024.03.04

中日打線を4回1失点に抑えた奥田。洗礼を浴びたが、粘り強く投げ抜いた。写真:岩国誠

中日打線を4回1失点に抑えた奥田。洗礼を浴びたが、粘り強く投げ抜いた。写真:岩国誠

 待望の先制点でベンチに一体感が生まれた。しかし相手はNPB球団、そう簡単にはいかなかった。

 直後の4回ウラ、好投していた奥田域が”NPBの洗礼”を受けた。この日2回目の対戦となった4番・鵜飼にインコースのボール球を捉えられた。レフトのネット中段へ強烈な弾丸ライナー、あっという間の同点弾だった。
 
「『やっぱりこれがプロ(NPB)か』って思いました。正直、そんなに甘いコースではなかったと思いますが、あそこまで持っていかれた。やはりボールを投げるのなら、もっと厳しいところへ投げないと持っていかれる。もっと(コースの)投げ分けを求めていかなければいけないと思いました」

 NPBレベルを肌で感じた奥田域。その後、味方のエラーやフォアボールなどで二死満塁のピンチを迎える。気温は7度ながら、時折小雪が舞い落ちるほど冷え込んだナゴヤ球場だったが、奥田域の胸の内はたぎる思いで燃えていた。

「最後は左バッターのインコースを攻めていく意識でいきました。3球連続インコースのまっすぐでいきましたが、高さは間違えても(インコースの)ラインだけは外さないように意識していたので、それで最後は高めに手を出してくれたのかなと思います。デッドボール(で押し出し)の怖さもあったんですけど、そこを怖がっていたら、この先プロ(NPB球団)との対戦ばかりなのでやっていけない。気持ちを強く持って投げ切ろうと思っていきました」

 四死球でも失点につながる苦しい場面を徹底したインコース攻めで凌ぎ切った。一軍経験者も名を連ねた中日打線を相手に4回72球、鵜飼のソロホームラン1失点のみ抑えた。

 2月23日に予定されていたオイシックス新潟アルビレックスとの練習試合を含め、ここまで予定されていた実戦を消化できずに、教育リーグの開幕を迎えたくふうハヤテ。直近の2月27日に行われた社会人の強豪・ENEOSとの練習試合では、多くのミスもあり15失点で大敗。先行きが危ぶまれた。

 しかしこの日は、奥田域の後を受けた竹内奎人(24・群馬大医学部)、早川太貴(24・ウイン北広島)、村上航(23・BCリーグ茨城)が、再三ピンチを迎えながらも、5回以降の中日打線を内野ゴロでの1失点のみに抑えた。

 打線も1点を勝ち越された直後の7回表、相手のミスから無死二塁のチャンスを掴むと、6番・折下光輝(24・元巨人育成/関西独立リーグ堺)が右方向への進塁打で走者を進め、途中出場の深草駿哉(22・九州アジアリーグ熊本)の高く弾んだサードゴロで、三塁ランナーのキャプテン・高橋駿(26・九州アジアリーグ北九州)が同点のホームをついた。
 
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