カブスにとってのオープン戦最終日、3月26日のカーディナルス戦にも登板することが決まっているものの、普通は疲労を溜めないように開幕前の最終登板は極端に球数を減らすので、実質的にはこの日の88球で「準備完了」となる。
今永はその準備期間の中で、最大限の努力をしてきた。野球選手なので、練習するのは当たり前だとしても、なるべく通訳を介さず、投手コーチやチームメイトとのコミュニケーションを取ったり、トラックマンを使用して投球解析された自分の持ち球を、実戦できちんと流用できるように落とし込んだり。この日の練習試合では、この数日間、取り組んできた牽制球の練習をさっそく実戦投入して、一塁牽制で走者を刺している。
「確か(盗塁を)走られた後だったと思うんですが、そのタイミングがすごく大事ですし、その後はランナーのリードもすごく小さくなりましたし、牽制しても戻る方に荷重があったので、ああいうことを一発入れるだけでも次にスタートを切らせないってことにつながる」
たとえば、ライブBP=味方相手の投球練習からオープン戦序盤での課題は、被本塁打だった。ライブBPでは、チームメイトのパトリック・ウィズダムやニック・マドリガルに高めの甘い球を軽々と柵越えされた。オープン戦では2試合連続で一発を浴び、Bゲームまでのオープン戦3試合9.2イニングで19奪三振(奪三振率は17.69!)という驚異的な数字と対象的に、不安材料として指摘されていた。
「彼が三振を奪えるフライボール・ピッチャーであり、長打を食らうことがあるのは分かっていたことなんだ」
そう言ったのは、トミー・ホットビー投手コーチである。彼はデータ主導、テクノロジー全盛のMLBにおいて、それらを積極的に取り入れながら指導している投手コーチだ。新しいアイディアをアップデートすることに積極的なダルビッシュ有投手(パドレス)とも通じるところが多かったらしく、同投手のカブス時代には「こちらも勉強になることが多い」などと言っていた柔らか頭の人である。今永入団後もダルビッシュにアドバイスを求めたそうだ。
「球速も回転数も、高めに投げるには申し分ない数値がある。しかし時々、彼の指先から球がこっち(投手から見て左)に吹き上がる時がある。それでもショータの場合、球はホップしていくのだけれど、MLBの右バッターの中には、それを長打にする選手がいる。だから、むしろカット気味に投げた方が、回転軸がより理想に近づいて、打者にとっては打ちづらいホップになるし、長打を食らう可能性も低くなるのではないか、と考えられる」
二人の間で実際にどんな会話と摺り合わせが行われたのかは知らないが、今永はその数日後、2戦連続被弾した後の3試合目のアスレティックス戦をオープン戦初の無失点で切り抜けた。そして、その試合で、今永は一つの答えを得ていた。
「真っすぐでしっかり差し込めることができれば、打者がポイントを前にしてくれるので、少々、ボール気味のチェンジアップを振ってくれたりとか、高めを振ってくれたりする。相手のポイントをいかに前に出すのかっていうのが僕の生命線になるのかなと思う。
日本の時に投げていた真っ直ぐとはまったくの別物として、自分の真っすぐを考えていきたいなというマインドチェンジにもなりました」
「今日、何球かインコースに、窮屈そうなスイングで……2回か3回に1番打者が詰まったサードフライを打ったのは凄くいい真っすぐで、僕もグリップの下の辺を目がけて投げに行ったので、やっぱりあの辺は一番窮屈なところなんで。手が伸びるところは、こっちの打者は上手くバットを操作すれば果てしなく飛んでいくので。あそこに投げられたのは、次のいいイメージにつながっていくのかなと思う」
たとえば、今永にとって驚異的な奪三振率の大きな要因となっている「高めの4シーム・ファストボール」。ホームランと紙一重にも見えるその武器について、ホットビー投手コーチはこんなアイデアを持っていた。
今永はその準備期間の中で、最大限の努力をしてきた。野球選手なので、練習するのは当たり前だとしても、なるべく通訳を介さず、投手コーチやチームメイトとのコミュニケーションを取ったり、トラックマンを使用して投球解析された自分の持ち球を、実戦できちんと流用できるように落とし込んだり。この日の練習試合では、この数日間、取り組んできた牽制球の練習をさっそく実戦投入して、一塁牽制で走者を刺している。
「確か(盗塁を)走られた後だったと思うんですが、そのタイミングがすごく大事ですし、その後はランナーのリードもすごく小さくなりましたし、牽制しても戻る方に荷重があったので、ああいうことを一発入れるだけでも次にスタートを切らせないってことにつながる」
たとえば、ライブBP=味方相手の投球練習からオープン戦序盤での課題は、被本塁打だった。ライブBPでは、チームメイトのパトリック・ウィズダムやニック・マドリガルに高めの甘い球を軽々と柵越えされた。オープン戦では2試合連続で一発を浴び、Bゲームまでのオープン戦3試合9.2イニングで19奪三振(奪三振率は17.69!)という驚異的な数字と対象的に、不安材料として指摘されていた。
「彼が三振を奪えるフライボール・ピッチャーであり、長打を食らうことがあるのは分かっていたことなんだ」
そう言ったのは、トミー・ホットビー投手コーチである。彼はデータ主導、テクノロジー全盛のMLBにおいて、それらを積極的に取り入れながら指導している投手コーチだ。新しいアイディアをアップデートすることに積極的なダルビッシュ有投手(パドレス)とも通じるところが多かったらしく、同投手の
「球速も回転数も、高めに投げるには申し分ない数値がある。しかし時々、彼の指先から球がこっち(投手から見て左)に吹き上がる時がある。それでもショータの場合、球はホップしていくのだけれど、MLBの右バッターの中には、それを長打にする選手がいる。だから、むしろカット気味に投げた方が、回転軸がより理想に近づいて、打者にとっては打ちづらいホップになるし、長打を食らう可能性も低くなるのではないか、と考えられる」
二人の間で実際にどんな会話と摺り合わせが行われたのかは知らないが、今永はその数日後、2戦連続被弾した後の3試合目のアスレティックス戦をオープン戦初の無失点で切り抜けた。そして、その試合で、今永は一つの答えを得ていた。
「真っすぐでしっかり差し込めることができれば、打者がポイントを前にしてくれるので、少々、ボール気味のチェンジアップを振ってくれたりとか、高めを振ってくれたりする。相手のポイントをいかに前に出すのかっていうのが僕の生命線になるのかなと思う。
日本の時に投げていた真っ直ぐとはまったくの別物として、自分の真っすぐを考えていきたいなというマインドチェンジにもなりました」
「今日、何球かインコースに、窮屈そうなスイングで……2回か3回に1番打者が詰まったサードフライを打ったのは凄くいい真っすぐで、僕もグリップの下の辺を目がけて投げに行ったので、やっぱりあの辺は一番窮屈なところなんで。手が伸びるところは、こっちの打者は上手くバットを操作すれば果てしなく飛んでいくので。あそこに投げられたのは、次のいいイメージにつながっていくのかなと思う」
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