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“返品”はたった1人、スイーパーを武器に名門球団で勝ちパターン入りした男も…今季の“MLB版現役ドラフト組”は豊作?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2024.04.19

 また、元の球団に“返品”することが許されているのも、ルール5ドラフトの大きな特徴だ。獲得した選手がメジャーで使えないと判断した場合、球団はその選手をウェーバーにかけ、獲得を希望する球団があればそのチームに譲渡し、そうでなければ旧所属チームに返還する仕組みとなっている。

 ところが、昨年のルール5ドラフトで指名された選手は今季ここまでほとんどが“返品”されていない。移籍情報専門サイト『MLBトレード・ルーマーズ』が「今年のルール5ドラフト指名選手は異常なほどの持続力を持っている」と驚愕しているほどだ。指名された10人のうち、これまでに元の球団に戻ったのは1人だけ。残りの9人のうち2人は故障者リストに登録されているものの、7人はメジャーで奮闘している。

 中でも印象的な活躍を見せているのが、ヤンキースからアスレティックスへ移籍したミッチ・スペンスと、レンジャーズからメッツを経てレッドソックスに移ったジャスティン・スレイテンだ。
 
 スペンスはカーブやスライダーを武器にロングリリーフとしてフル回転し、ここまでの5登板はいずれも回またぎ。特に4月16日のカーディナルス戦では、1点ビハインドの7回からマウンドに上がると、8回にはラーズ・ヌートバーなどから3者連続三振を奪うなど3イニングを投げ切った。

 スレイテンに至っては、スイーパーを中心に据えたピッチングでここまで計6登板で失点わずか1(防御率0.87)。3月31日のマリナーズ戦では3イニングを投げてメジャー初セーブも記録した。スタットキャスト指標でも優秀な数字を残していて、今後ますます成績が向上する可能性もある。

 サイ・ヤング賞を2度受賞したヨハン・サンタナや、10年にMVPを受賞したジョシュ・ハミルトンなど、ルール5ドラフトでの移籍をきっかけにチャンスをつかみ、球界有数のスターと成長した例も少なくない。例年以上に豊作な今季のルール5ドラフト組の中から、また新たなスターが生まれるかもしれない。

構成●SLUGGER編集部

【動画】スイーパーがうなりを上げる!スレイテンが2イニングで5奪三振
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