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プロ野球

「弱気なところを一切出さないクローザーになりたい」初心を体現する巨人の“絶対守護神”大勢の快進撃【密着女子アナが見た巨人】

真鍋杏奈

2024.08.31

 4月4日の中日戦では、「一つの目標でもあった」という、日本人投手球団初の球速160キロを計測した。

 好調なスタートを切ったが、神様の"意地悪"は終わらなかった。5月4日、右肩の違和感により戦線離脱。だが、大勢は挫けなかった。

「(離脱中)自分も一緒に勝負する気持ちで試合は見ていた。みんなが抑えていたので、そんな簡単に一軍には戻れない、そんな甘くない。そういう気持ちを持って、ファームでしっかり練習を積み上げながら、早く一軍の輪に入りたいと思っていた」

 大勢が離脱していた約2ヶ月間はバルドナードが"守護神"の代役を務め、チーム全員で奮闘した。

「(バルドナードは)中継ぎの柱として引っ張ってもらっていたので、その負担を少しでも減らすというか、次はその分自分がしっかり投げたい。いろんな方のおかげで立てているので、お世話になった人にプレーで恩返しする姿をみせることができるようにしたい」。復帰すると、感謝の言葉が止まらなかった。

 一軍復帰後は再び"抑え"の座を担い、現在14試合連続無失点中。23セーブを挙げ、防御率0.87と抜群の安定感を誇っている。

 リハビリ期間にデータを見て、自分の投球スタイルやフォームを改良した。
暑い夏場にしっかり結果が残せるように、食事や眠るタイミングなど私生活を見直した。
「相手打者にしっかり立ち向かっていけている」。気持ちも強く、怪我を乗り越え、パワーを増して戻ってきた。

「9回」「抑え」「クローザー」「ストッパー」「守護神」……いろいろな呼び方で表現される唯一無二のポジション。大勢は、以前"その位置"についてこう語っていた。

「"抑え"でしか味わえないやり甲斐があって、自分の結果で勝利をものにできる。みんなそれぞれ責任感やプレッシャーを感じている中で"9回"という特別なものを味わわせてもらっているので、自分はプレッシャーというよりかは、その期待を超えて投げるんだという気持ちの方が大きい」

 大勢は、チームのみんなへ、そして、応援し続けてくれているファンへ感謝の意をマウンドで体現している。

「一戦一戦、新しい気持ちで臨んで、最終的にはチームが優勝できるように一日、一日ベストを尽くしたい。」

 今シーズンの戦いも残り少なくなってきた。ジャイアンツのファンは優勝を信じ、チームの"守護神"が胴上げ投手になる姿を待ち望んでいる。

文●真鍋杏奈(フリーアナウンサー)

まなべあんな。ホリプロ所属。フリーアナウンサー。ラジオ日本「ジャイアンツナイター」リポーターやYouTube「プロ野球OBクラブチャンネル」MCを担当。その他、社会人野球、高校野球の番組にも出演。

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