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プロ野球

【DeNA】「ファームで苦しんだ時期があったからこそ」リリーフで献身する“ハマっ子サブマリン”中川颯の反骨心

萩原孝弘

2024.09.25

「全球決め球のつもりで」という通り強気のピッチングが光る。写真:萩原孝弘

「全球決め球のつもりで」という通り強気のピッチングが光る。写真:萩原孝弘

☆痺れる場面での出番

 出番は前のピッチャーが残したランナーが溜まり、対峙する相手は右の強打者が待ち構えるシチュエーションも多く、打たれたら試合が決まる痺れる場面での登板に「僅差とか、ワンポイントとかもありますからね。だから期待されてるなっていう風に感じますし、それに応えるのが仕事なんで。不安っていうよりはやってやろうっていう気持ちの方が強いです」と“ピンチ上等”のハートの強さで、他球団の強打者を退治する。
 
 またピッチングスタイルも「先発の時は打たせて取る、1試合27球で終わらせるイメージでしたが、リリーフになってからは、もう全部三振で取る、全球決め球のつもりで投げてるっていう感じですね」と全力で立ち向かう。また「ツーシームが良ければ良いほどやっぱスライダーも効いてきますしね」とストレートとほぼ同じ球速帯のツーシームと、対になる横変化のボールで勝負する。「それに真っ直ぐを交えて30%ずつのイメージで投げています。3択で何が来るかわかんないみたいな感じですね」と下手投げならではの軌道から、打者を翻弄していく。

 これからもCS、さらに一つでも上の順位を目指しているベイスターズ。「それはそうなんですけど」と前置きしつつ「一戦一戦、あまり先を見てもいいことないと思うんで。まず目の前の試合と自分の仕事をしっかり全うして、それがチームの勝ちに繋がれば1番いいと思います」と必要以上に気負うことなく、明確な視点で腕を振ると宣言した“ハマのサブマリン”。

 西の港で抱えていた想いを、横浜の港で昇華させ、愛するチームとともに浮上してみせる。

取材・文●萩原孝弘

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