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MLB

広島で戦力外通告→日本初のウィンターリーグに参加 次の舞台を目指した1か月に内間拓馬が「不思議な感覚」を抱いたワケ

岩国誠

2025.01.13

通訳を介してピッチングコーディネーターのコルビー氏(中央)に助言を求める。写真:岩国誠

通訳を介してピッチングコーディネーターのコルビー氏(中央)に助言を求める。写真:岩国誠

 新しい契約を勝ち取るために、自らの武器をアピールするだけでなく、多国籍な野球に触れることのできる環境で、内間は自身のレベルアップにも意欲的に取り組んでいた。ドライブラインの指導資格を持つピッチングコーディネーター(コーチ)のコルビー氏に指導を仰ぎ、現在投げているカーブだけでなく、球速を上げたカーブの習得を提案されたという。
 

「考え方はシンプルで、僕の場合カーブを投げるときのリリースポイントは(ストレートより)後ろで離しているんですが、それをストレートと同じポイントに持っていって、ストレートと同じ腕の振りをすれば、(カーブの)握りを変えなくても、必然的にカーブの球速は上がる。高めのまっすぐと同じラインでボールを出せば、球速も早くなってブレーキも効くという話しをしてもらって『あ、そういうことね』と」

内間が元々投げているカーブは100キロ台で縦に大きく曲がる「スローカーブ」だが、アドバイスを受けた3試合目以降には、120キロ台の速いカーブを織り交ぜて、打者のタイミングをずらすなど、実戦で使えるボールを増やし、投球の幅を広げていった。

「実はシーズン中にも速いカーブには取り組んでいたんですが、海外での経験がある方にそれを言われたことで、やっぱり大事なことなんだと確認できました」

また、雨で試合が中止となった日には、楽天時代に1年間だけ一緒だった古賀康誠(20)とフィールディングの反復練習を行なう姿を見かけた。捕球からのスローイング動作などを内間が実践しながら、熱心に古賀にレクチャーする。リーグ終盤の人も少ない室内練習場で、そんな練習が約1時間続いた。

「高校野球の場合、練習時間が限られていたりするので、ピッチングやバッティング練習がどうしてもメインになりますが、プロではフィールディングも求められる。古賀はそこに対して、苦手意識があったので、そんなに難しく考えなくていいよって話しながらやっていました」

 所属が決まっていない中、自分のためではなく、後輩のために時間を使う内間の姿がとても印象に残る場面だった。

「特別なことをしているつもりはないです。普通に同じ野球という競技をしている者として、逆に僕が古賀に聞くこともありますし、そこまで変わったことではないかなと僕は思っています」
 
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