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MLB

「ユニフォームは球団の歴史を身にまとうもの」日本唯一の"野球意匠学研究者"が語る日米の「意識の違い」<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2026.08.07

 野球のユニフォームには、長い歴史の中で培われてきた『セオリー』があります。もちろん、新しい挑戦は必要です。でも、そのセオリーから外れすぎてしまうと、『これは野球のユニフォームなのかな』という違和感が出てきてしまう。そこはかなり気になりますね

 デザインそのものは面白くても、作る人は『野球のユニフォームとしてどうか』という視点も持ってほしい。ユニフォームというのは、選手が着るものでもあるし、ファンと共有し、球団の歴史を背負うものでもある。私個人は奇抜さなんてまったく望んでいないです。かつてのアストロズのレインボーカラーのような、これまで見たこともない突き抜けたものならすごいと思いますが、これはすでに過去のものです。今、この手法を持ち出しても通用しないと思う。近ごろの昇華プリントはなんでもできてしまうので、奇抜なことをしても何の驚きもないですね。

基本的にデザインは野球のユニフォームが大好きな人にやってもらいたいと思います。野球のユニフォームが大好きな人なら、デザインが野球ユニフォームの枠から逸脱することはないと思う。枠の中で格好良く収めて、デザインを仕上げてくれると思うのです。
 
 最近は日本でも呆れるほどセオリーから逸脱したデザインがありますが、野球のユニフォームが好きな人が作ってないなと寂しくなることもあります。伝統を守ることと、新しいことをやること。そのバランスは難しい。でも、その両方にきちっと目配せして、うまくかみ合った時に、本当にいいユニフォームが生まれると思います」

「シティコネクトの中で割と好きなのはカーディナルス。あれはストライプが波型でセオリーを外しているけど、伝統の鳥のロゴが主役になっていて、カーディナルスのユニフォームとして成立している。それから村上宗隆が時々着ているホワイトソックスのNBAブルズをオマージュしたデザインも嫌いじゃないです。あれは意外と上手くまとまっているように見えます。

 そういえば、シティコネクトで驚いたことが一回ありました。ザック・ギャレン(ダイヤモンドバックス)の着こなしです。21年にアリゾナの砂漠をオマージュしたサンドカラーのファーストデザインが出た時、彼のベルトが白のヘビ革だったんですよ。日本でヘビ革のベルトはアンタッチャブルな感じがするけど、ギャレンのベルトは別物だった。ユニフォームのデザインは無難な感じだったけど、ヘビ革ベルトを組み合わせることで、ものすごくパワーアップしていた。かっこ良くて「うわっ!」と思いました。ただ、これはカスタムベルトで、つけていたのはギャレンだけでしたが……。
今、MLBはベルトも自由で、カスタムベルトが流行っています。その中でも、これがいちばん格好良いと思いましたね」
 

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