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プロ野球

有識者ARAのドラフト通信簿:“本命”を外しても巨人は最高評価。一方、佐藤を引き当てた阪神、早川を引き当てた楽天の評価は?

ARA

2020.10.27

▼広島 評価:B+
1位:栗林良吏(投手/トヨタ自動車)
2位:森浦大輔(投手/天理大)
3位:大道温貴(投手/八戸学院大)
4位:小林樹斗(投手/智弁和歌山高)
5位:行木俊(投手/四国IL・徳島)
6位:矢野雅哉(内野手/亜細亜大)

 投手に偏りがちな印象は受けるが、一本釣りに成功した本格派の栗林、コントロールに長けた左腕の森浦、先発と中継ぎ両にらみの大道の指名には、いずれも既存のメンバーと使い分けていく方針が見て取れた。田中広輔と小園海斗の間に有力な選手がいない遊撃にも、身体能力抜群の矢野を指名。ただし2年連続で捕手を育成指名した背景が不透明なことと、22歳以下の外野手が永井敦士のみにもかかわらず、外野手の指名がなかった点はマイナスか。

▼中日 評価:B+
1位:高橋宏斗(投手/中京大中京高)
2位:森博人(投手/日本体育大)
3位:土田龍空(内野手/近江高)
4位:福島章太(投手/倉敷工高)
5位:加藤翼(投手/帝京大可児高)
6位: 三好大倫(外野手/JFE西日本)

 地元愛知の名門・中京大中京高の高校ナンバーワン投手、高橋の一本釣りに成功。ここ数年の“地元選手獲得”への熱はすさまじく、高橋をはじめとして今年も3人が地元・愛知の出身だった。加えて、同じ中部地方の滋賀県出身で、次代の核となる俊足巧打のショート土田の指名にも成功。また、高橋宏斗と競争させるためか、高校生投手を4人も指名した。ただ、本来優先すべきだった即戦力野手は内野・外野ともに1人も指名せず、来季以降にリーグ優勝を目指すチームとしては、やや物足りないドラフトだったと言わざるを得ない。
 
▼ロッテ 評価:B
×  早川隆久(投手/早稲田大)
1位:鈴木昭汰(投手/法政大)
2位:中森俊介(投手/明石商高)
3位:小川龍成(内野手/国学院大)
4位:河村説人(投手/星槎道都大)
5位:西川僚祐(外野手/東海大相模高)

 早川隆久の抽選を外しても、鈴木の当たりクジを引いてカバーし、中森に河村と、将来性豊かな投手も指名。小川の安定した守備力は、同じ遊撃の藤岡裕大や平沢大河を大いに刺激することだろう。ただ、気になるのは外野と捕手。外野手は育成も含め、高卒の右の強打者を2人獲得しているが、1人は即戦力の選手を獲得してもよかったのではないか。また、捕手には現在22歳以下の選手が1人もおらず、谷川1人ではやや心もとない。

▼ソフトバンク 評価:C+
×  佐藤輝明(内野手/近畿大)
1位:井上朋也(内野手/花咲徳栄高)
2位:笹川吉康(外野手/横浜商高)
3位:牧原巧汰(捕手/日大藤沢高)
4位:川原田純平(内野手/青森山田高)
5位:田上奏大(投手/履正社高)

 まさかの本指名が全員高校生。長年渇望した右の強打者・井上を筆頭に、身長193センチの大型外野手・笹川、強肩強打の捕手・牧原と、同世代では希少価値が高い選手ばかりだ。即戦力投手が皆無なのも、大関や渡辺等の支配下の目途が立てば説明もつく。ただ、野手が高齢化している現状を踏まえると、1人は即戦力の選手がいてもよかったのではないか。また、選手層の厚さから出場機会が得られない危険もあり、補強ポイントに関しての評価はC+としたが、この中から誰か1人でも「ポスト松田」になる選手が出てくれば大当たりのドラフトにになるだろう。

文●ARA
【著者プロフィール】 
Twitterでドラフトイベント「VD4B」「ヨソドラ」を主催。雑誌/野球太郎のモックドラフト立案者。ベースボールキングのドラフト2020速報ライブでは解説者を務めた。主に打撃を得意分野とし、中学生を中心とした野球指導にも携わる。ツイッターIDは@arai_san_28。

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