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プロ野球

日本一のヤクルトは堅実な補強。大田泰示を獲得したDeNAの評価が低い理由は?【セ6球団補強採点】

出野哲也

2022.01.30

■中日
評価=もっとがんばりましょう(E)


【オフの補強ポイント】
×貧打線の解消
△又吉の穴埋め

 ダントツリーグ最下位の405得点に終わった貧打線強化が最大のテーマで、ドラフトでも1位でブライト健太(上武大)、2位で鵜飼航丞(駒沢大)と、大学生外野手を立て続けに指名した。その意味でポイントは外していないものの、ブライトは4年春以外に実績を残していない素材型。東都大学リーグで秋に5本塁打を量産した鵜飼も通算打率は.220とあって、即戦力と言えるかは微妙だ。トレードもなく、新外国人もここまでは育成選手を獲得したのみとあって、消極的な姿勢にファンから批判の声も上がっている。

 投手陣では、FAでソフトバンクへ移籍した又吉克樹の人的補償でベテランの岩嵜翔を獲得。成長が期待される若手も複数いて、こちらはそこまで大きなダメージにならない可能性もある。ただ、やはり打線はこのままではかなり心配。立浪和義新監督は石川昂弥や根尾昂、岡林勇希など若手選手の積極起用を明言しているが、「オフの補強」という点では物足りないと言わざるを得ない。

【主な入退団選手】
▼IN
岩嵜翔(投手/ソフトバンク)
ブライト健太(外野手/上武大)
鵜飼航丞(外野手/駒沢大)

▼OUT
又吉克樹(投手)
ガーバー(外野手)
ロサリオ(投手)
 
■DeNA
評価=がんばりましょう(D)


【オフの補強ポイント】
△先発・リリーフ両方のテコ入れ
×捕手不安の解消
×機動力の改善

 一番の補強ポイントは、防御率がリーグ唯一の4点台だった投手力の改善。しかしながら、ドラフトでは高校生の小園健太(智弁和歌山高)を1位指名。将来のエースを獲得したこと自体は問題ないが、即戦力候補として指名したのは2位の徳山壮磨(早稲田大)と4位の三浦銀二(法政大)。将来的にはともかく、今季すぐ一軍で戦力となるかどうかは疑問符がつく。

 抑え候補として獲得した新外国人のクリスキーは、最速157キロの速球と切れ味鋭いスプリットの評価が高いが、制球面に相当な不安を抱えている。日本ハムから戦力外になった大田泰示を拾い上げ、楽天からは藤田一也を復帰させたが、どちらも補強ポイントには合致しない。レギュラーを固定できない捕手や、機動力を使える選手も欲しいところだったが、後回しにされた。大田の加入は大きいが、チームの課題が解消できたかという視点では、厳しい点をつけざるを得ない。

【主な入退団選手】
▼IN
大田泰示(外野手/前日本ハム)
クリスキー(投手/前オリオールズ)
徳山壮磨(投手/早稲田大)

▼OUT
シャッケルフォード(投手/自由契約)

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球「ドラフト」総検証 1965-』(いずれも言視舎)。
 

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