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MLB

ロックアウトは「億万長者と百万長者の争い」にあらず。オーナーたちの強欲と傲慢が招いたMLB開幕延期<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2022.03.02

 ロックアウトに踏み切ったのも、その後43日間にわたって交渉にの席に着かなかったのも、2月28日を交渉のデッドラインとしたのも、すべてオーナー側の決定で、そこに選手会はまったく関わっていない。そうであるならば、交渉決裂の責任をまず負うべきなのが誰なのかは明らかだろう。

 開幕延期が決まり、多くのファンが肩を落とす中、会見場に現れたマンフレッドはなぜか笑っていた。そして、そこでも「この5年間は収入面から見てかなり厳しいものだった」と事実と異なることを平然と言い放った。

「MLB機構とオーナーたちは最初から交渉をまとめるつもりなどなかった」。アナリストのライアン・M・スピーダーはツイッターでそう指摘した。「シーズン最初の4~8週間の収入を犠牲にしたところで、まだ利益を上げられる。それよりも、今後期待される大規模な収入を守ろうとしている」から、というのがその理由だ。
 今後の交渉がどうなるのか、いつロックアウトが妥結するのか、そして開幕が一体いつになるのか、現時点では誰にも分からない。一つ確かなことがあるとすれば、ESPNのジェフ・パッサンが喝破しているように、「今回の事態はオーナー側が招いたものである」という事実だ。

文●久保田市郎(SLUGGER編集長)

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