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プロ野球

阪神の「10年36億」を蹴った清原和博、「ミスターの背番号」も条件になった江藤智――大物FA選手争奪戦を振り返る<SLUGGER>

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2022.11.05

▼丸佳浩(2018年オフ)
〇巨人:6年25億円
●広島:4年17億円
●ロッテ:4年20億円+監督手形

 16~18年に広島のリーグ3連覇に貢献し、2年連続でMVPに選ばれた丸に対し、巨人が食指を伸ばすのは想像できた。だが、他の2チームの参戦は異例のことだった。

 まず、古巣の広島。これまで「宣言残留」を認めてこなかったが、チームの柱である丸の流出危機に方針を転換し、宣言残留を容認した上で引き留め交渉に乗り出した。しかも単年あたりの条件は、それまで黒田博樹にしか提示されなかった4億円超えという異例の規模だった。

 また、丸の出身地である千葉に本拠を置くロッテも、それまでは資金力にそこまで余裕がなく、丸ほどの大物の獲得に乗り出したことなどなかった。現在でも日本人選手に3億円越えの年俸を与えたことのない球団が4年20億円もの大型契約を与えることが、どれほどの覚悟だったかは想像に難くない。しかも将来の監督手形まで付いていた。

 両チームの異例の交渉はともに実らず、丸は他の有力FA選手と同じように巨人入りを選択したが、異例尽くめの争奪戦は大きな注目を集めた。
 
▼浅村栄斗(2018年オフ)
○楽天:4年20億円
●西武:4年20億円
●ソフトバンク:4年25億円

 丸を巡って3球団が争っている頃、もう一人の目玉・浅村にも同じく3球団が壮絶なマネーゲームを展開していた。むしろ金額の規模では、丸以上に大きかったと言ってもいい。

 リーグ最強の“山賊打線”の中核を担い、打点王を獲得した強打の二塁手に対し、西武は4年20億円を提示して慰留。これに対してソフトバンクは、西武をはるかに上回る4年25億円(一説には28億円とも)の巨額契約を提示して、この時点で金額は明示していなかった楽天を牽制した(なお、オリックスも獲得に名乗りを挙げていたのだが、交渉のテーブルにつくことすら拒否されてしまった)。

 だが、楽天はあえて西武と同程度の条件を提示し、ソフトバンクとのマネーゲームには応じなかった。その代わり、石井一久GMは熱意で対抗。「絶対に活躍しないとアカンと思わなくていい。若い子が背中を見ているし、来てくれるだけでありがたい」との言葉が心に刺さり、浅村は楽天を選んだ……と、一般的には言われている。

 ただ、楽天が浅村に提示したオファーは出来高も含め「4年32~36億円」だったという説もある。平均に換算すると8~9億円で、後年、楽天に復帰した田中将大級の大型契約だったというのだ。正確な契約額が開示されるMLBとは異なり、日本で公表されるのはあくまで推定年俸のため真偽は不明ながら、もしこれが正しかったとすれば、金額の面ではまさに史上最大の争奪戦だったことになる。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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