現役時代にユタ・ジャズ一筋で19年間プレーしたジョン・ストックトンは、通算アシストとスティールの記録を保持する史上屈指のポイントガード(PG)であると同時に、毎シーズン全試合に出場し続ける鉄人でもあった。そんなレジェンドの目には、現在のNBAは「ソフト」に映っているという。
毎週約3、4試合、半年間で82試合を戦うNBAのレギュラーシーズンは、常人が想像する以上に過酷だ。疲労が蓄積して故障離脱する選手は珍しくなく、なかには大ケガにつながるケースも少なくない。そうした背景もあって、近年は“ロード・マネジメント”と呼ばれる意図的に選手を休ませる方法がスタンダードになりつつある。
1980~90年代にカール・マローンとコンビを組み、すべての年でプレーオフに出場したストックトンは、キャリア19年で全試合に出場したシーズンは17回、欠場はわずか22試合しかなかった。
今年で63歳となったレジェンドPGはポッドキャスト番組『The Maverick Approach』に出演した際、現役時代は毎年シーズンオフもトレーニングを欠かさず、次のシーズンに向けて準備していたと回想。そして、「最近のNBAはソフトになっているか?」とのストレートな質問には、「ソフトだと思う」と答え、今のNBAを観る時間も、観る気もないと認めた。
「そんなに(NBAの試合を)多くは見ていないよ。人生は忙しいからね。私には子どもがいて、孫もいる。彼らはスポーツをやっているんだ。そちらを見ないといけない」
試合に出て戦うことが“当たり前”だった時代を生きたストックトンとしては、ロード・マネジメントのような風潮は受け入れたくないようだ。
「20日間も休める選手たちがいるんだからね。“ロード・マネジメント”と言うんだっけ? 父親が『数週間仕事を休む』なんて言ったらどう思う? 誰が私たちを養うんだい? 想像できない。模範となるべき存在なのに、リーグはそれを容認しているんだ」
ストックトンは、ファンはコート上で戦う選手を求めていると代弁する。
「ロード・マネジメント、異常なまでに高騰する年俸…。選手たちには才能があって、本当はシュートを決められるんだ。シュートを決められるから、皆が『シュートを打たせるべきだ』と思っている。戦術は少ないし、フィジカル要素も少ない。コロナ禍もあって、ゲームよりも健康、安全第一なんだ。私の時代はゲームが第一だった。世間はグラディエーター(剣闘士)を探している。戦いに身を投じてほしいんだ。握手やハグではなく、自分たちにはできないことをやってほしいんだ」
近年はオールスターの“緩さ”も議論の対象となったが、熱くて激しいプレーやゲームを望んでいるのは、ストックトンや往年のファンだけではないだろう。
構成●ダンクシュート編集部
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1980~90年代にカール・マローンとコンビを組み、すべての年でプレーオフに出場したストックトンは、キャリア19年で全試合に出場したシーズンは17回、欠場はわずか22試合しかなかった。
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「そんなに(NBAの試合を)多くは見ていないよ。人生は忙しいからね。私には子どもがいて、孫もいる。彼らはスポーツをやっているんだ。そちらを見ないといけない」
試合に出て戦うことが“当たり前”だった時代を生きたストックトンとしては、ロード・マネジメントのような風潮は受け入れたくないようだ。
「20日間も休める選手たちがいるんだからね。“ロード・マネジメント”と言うんだっけ? 父親が『数週間仕事を休む』なんて言ったらどう思う? 誰が私たちを養うんだい? 想像できない。模範となるべき存在なのに、リーグはそれを容認しているんだ」
ストックトンは、ファンはコート上で戦う選手を求めていると代弁する。
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近年はオールスターの“緩さ”も議論の対象となったが、熱くて激しいプレーやゲームを望んでいるのは、ストックトンや往年のファンだけではないだろう。
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