トップレベルで競い合う者は、根底では同じ苦悩や思いを共有しているものであり、だからこそ、誰よりもわかり合える瞬間がある。
今オフ、ダラス・マーベリックスとの残り1年の契約をバイアウトで解消し、マイアミ・ヒートと2年契約を結んだクレイ・トンプソンは、新たにチームメイトとなるヤニス・アデトクンボにまつわるそんな思い出を、『The Athletic』とのインタビューで明かしている。
トンプソンは2019年のプレーオフ、トロント・ラプターズとのファイナル第6戦で左ヒザの前十字靭帯を断裂する大ケガを負い、翌19-20シーズンを全休することになった。さらに、復帰に向かっていた矢先に今度は右足のアキレス腱を断裂。20-21シーズンも全休となり、ようやくコートに復帰できたのは、最初のケガから2年半後。2022年1月のことだった。
あまりに長かった戦線離脱。史上最高クラスの3ポイントシューターと名高いトンプソンだったが、復帰当初はパフォーマンスに波があり、「昔のクレイに戻れるのか?」という疑問の声も大きくなっていった。
そんななかで迎えた、復帰から約2か月後(22年3月12日)のミルウォーキー・バックス戦。トンプソンはこの試合でゲームハイの38得点をマーク。14本中8本の3ポイントを沈めて122-109の快勝に貢献した。
この試合の出来にトンプソン自身も「自分はもう一度、偉大な選手になれる」と手応えを得たという。
そしてその思いを後押ししたのが、相手チームのエースであるアデトクンボだった。
「試合が終わった後、彼は相手チームのベンチからこちらに向かって歩いてきて、僕たちのベンチまで来た。それは僕に、『君のことを本当に嬉しく思っているよ』と伝えるためだったんだ」
ケガをするまで5年連続でオールスターに選出され、ゴールデンステイト・ウォリアーズで3度のNBAタイトルを勝ち獲ったトンプソン。そんな順風満帆なキャリアから一転、選手生命を揺るがす苦難を味わい、かつてのレベルには復帰できないのではという懐疑的な視線の中で見事にカムバックした。その姿を見て、アデトクンボは試合に敗れた悔しさは脇に置き、努力を称えたのだった。
「感情的になりたくはないけど、それは僕にとって本当に大きな意味があった」
そう語ったトンプソンは、この瞬間からヤニスを見る目が変わったという。
「彼は本当に人として素晴らしいヤツなんだな、と思った。僕が受難を乗り越えて復帰したことを、彼は称えてくれた。それが本当に嬉しかった。だからこうして今、彼のチームメイトになれるというのは、本当に最高だよ」
今季、2人はともに14年目のシーズンを迎える。
新生ヒートにはヤニスと2013年のドラフト同期のティム・ハーダウェイJr.も加わり、バム・アデバヨ、アンドリュー・ウィギンズ、デイビオン・ミッチェルら既存戦力と融合する。昨季をケガで棒に振ったアデトクンボにとっても、今季は自身の力を再証明するシーズンだ。
トンプソンはこう言っている。
「このゲームの素晴らしいところは、いつだってもう一度、みんなに思い出させるチャンスがあるというところだ」
NBA3ポイント成功数ランキングで歴代4位につける実力を、彼は再び見せつけようと牙を磨いている。「もう昔のクレイ・トンプソンではない」と見切りをつけた人たちに、それにはまだ早いと思い知らせるために。
文●小川由紀子
“トンプソンはもう終わった選手”の声に父親が反論「かつてのクレイではないと言うなら、フリーにしてショットを打たせてみればいい」<DUNKSHOOT>
「2018年のクレイじゃない」グリーンがヒート加入の盟友に忠告「レイ・アレンのような役割を」<DUNKSHOOT>
世代を代表するエースにベテランシューター…新生ヒートが目指すのは、優勝した2013年ロスター?<DUNKSHOOT>
今オフ、ダラス・マーベリックスとの残り1年の契約をバイアウトで解消し、マイアミ・ヒートと2年契約を結んだクレイ・トンプソンは、新たにチームメイトとなるヤニス・アデトクンボにまつわるそんな思い出を、『The Athletic』とのインタビューで明かしている。
トンプソンは2019年のプレーオフ、トロント・ラプターズとのファイナル第6戦で左ヒザの前十字靭帯を断裂する大ケガを負い、翌19-20シーズンを全休することになった。さらに、復帰に向かっていた矢先に今度は右足のアキレス腱を断裂。20-21シーズンも全休となり、ようやくコートに復帰できたのは、最初のケガから2年半後。2022年1月のことだった。
あまりに長かった戦線離脱。史上最高クラスの3ポイントシューターと名高いトンプソンだったが、復帰当初はパフォーマンスに波があり、「昔のクレイに戻れるのか?」という疑問の声も大きくなっていった。
そんななかで迎えた、復帰から約2か月後(22年3月12日)のミルウォーキー・バックス戦。トンプソンはこの試合でゲームハイの38得点をマーク。14本中8本の3ポイントを沈めて122-109の快勝に貢献した。
この試合の出来にトンプソン自身も「自分はもう一度、偉大な選手になれる」と手応えを得たという。
そしてその思いを後押ししたのが、相手チームのエースであるアデトクンボだった。
「試合が終わった後、彼は相手チームのベンチからこちらに向かって歩いてきて、僕たちのベンチまで来た。それは僕に、『君のことを本当に嬉しく思っているよ』と伝えるためだったんだ」
ケガをするまで5年連続でオールスターに選出され、ゴールデンステイト・ウォリアーズで3度のNBAタイトルを勝ち獲ったトンプソン。そんな順風満帆なキャリアから一転、選手生命を揺るがす苦難を味わい、かつてのレベルには復帰できないのではという懐疑的な視線の中で見事にカムバックした。その姿を見て、アデトクンボは試合に敗れた悔しさは脇に置き、努力を称えたのだった。
「感情的になりたくはないけど、それは僕にとって本当に大きな意味があった」
そう語ったトンプソンは、この瞬間からヤニスを見る目が変わったという。
「彼は本当に人として素晴らしいヤツなんだな、と思った。僕が受難を乗り越えて復帰したことを、彼は称えてくれた。それが本当に嬉しかった。だからこうして今、彼のチームメイトになれるというのは、本当に最高だよ」
今季、2人はともに14年目のシーズンを迎える。
新生ヒートにはヤニスと2013年のドラフト同期のティム・ハーダウェイJr.も加わり、バム・アデバヨ、アンドリュー・ウィギンズ、デイビオン・ミッチェルら既存戦力と融合する。昨季をケガで棒に振ったアデトクンボにとっても、今季は自身の力を再証明するシーズンだ。
トンプソンはこう言っている。
「このゲームの素晴らしいところは、いつだってもう一度、みんなに思い出させるチャンスがあるというところだ」
NBA3ポイント成功数ランキングで歴代4位につける実力を、彼は再び見せつけようと牙を磨いている。「もう昔のクレイ・トンプソンではない」と見切りをつけた人たちに、それにはまだ早いと思い知らせるために。
文●小川由紀子
“トンプソンはもう終わった選手”の声に父親が反論「かつてのクレイではないと言うなら、フリーにしてショットを打たせてみればいい」<DUNKSHOOT>
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