NBA

「ファイナルでマジックとやりたかった」カーメロが優勝へ最も近づいた2009年プレーオフを振り返る

秋山裕之

2020.03.28

2008-09シーズンのナゲッツはカーメロの横に経験豊富なビラップス(左)を補強したことで大幅な戦力アップに成功。24年ぶりにカンファレンス決勝まで駒を進めた。(C)Getty Images

 3月27日(日本時間28日、日付は以下同)、2003年のドラフト同期で今も仲の良いドゥエイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)とカーメロ・アンソニー(ポートランドトレイルブレイザーズ)が"インスタライブ"で共演、最も優勝に近づいた2008-09シーズンについて話した。

 昨季限りで現役を引退したウェイドに対して、カーメロは昨年11月に約1年のブランクを経てブレイザーズと契約。先発の座を掴み、シーズンを中断するまで50試合に出場し、平均32.5分、15.3点、6.3リバウンド、1.6アシストを残している。

 カーメロはキャリア16シーズンのうち、デンバー・ナゲッツとニューヨーク・ニックスにそれぞれ約7シーズン在籍してエースを務めた。その中で彼が最も優勝に近づいたのは2008-09シーズンだった。

 当時キャリア6年目だったカーメロ率いるナゲッツは、シーズン序盤にアレン・アイバーソンをデトロイト・ピストンズへ放出し、チャンシー・ビラップスを含む3選手を獲得するという大型トレードを断行する。

 稀代のスコアラー(アイバーソン)を失ったナゲッツだったが、2004年にファイナルMVPを受賞した真のリーダー(ビラップス)を手に入れたことでチームが噛み合い、ウエスタン・カンファレンス2位の54勝28敗でレギュラーシーズンをフィニッシュ。
 
 プレーオフに入ってもチームは好調を維持し、ファーストラウンドでニューオーリンズ・ホーネッツ(現ペリカンズ)、カンファレンス・セミファイナルでダラス・マーベリックスをそれぞれ5戦で撃破。この年65勝をあげた優勝候補筆頭のロサンゼルス・レイカーズとのカンファレンス・ファイナルへ駒を進める。

 当時のナゲッツにはカーメロとビラップスのほか、ケニョン・マーティン、ネネ、クリス・アンダーセンといった屈強なフロントコートがおり、シックスマンにはJR・スミスというインスタントスコアラーも在籍していた。

 それでも、コビー・ブライアント、パウ・ガソルという両輪にラマー・オドム、デレック・フィッシャー、アンドリュー・バイナム、ルーク・ウォルトン、トレバー・アリーザといった有能な選手を抱えるレイカーズの優位は変わらなかった。

 だが、カーメロは自信を持っていたようだ。「俺たちはあの年、ファイナルでオーランドとやりたかった。もしLAで初戦を取って、第2戦も制していたら、デンバーで(2連勝して)スウィープしていただろう。そしてオーランドをスウィープできていたかもしれない」と口にし、チャンピオンシップを制していたかもしれないと盟友へ告白。

 もっとも、実際の結果はレイカーズが4勝2敗でナゲッツを制し、ファイナルではマジックを4勝1敗で下してコビーが初のMVPに輝いている。