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「ようやく抜け出すことができた」極度の不振から復活したポール・ジョージが35得点!クリッパーズが2回戦進出に王手

秋山裕之

2020.08.26

過去3試合では平均11.3点、FG成功率21.3%と大スランプに陥っていたジョージ。しかしこの日はわずか25分で35得点を叩き出し、勝利の立役者となった。(C)Getty Images

 ウエスタン・カンファレンス2位のロサンゼルス・クリッパーズと同7位のダラス・マーベリックスによるプレーオフ ファーストラウンドは、第4戦を終えて2勝2敗の五分。第4戦は前試合で左足首を捻挫したルカ・ドンチッチがトリプルダブル(43得点、17リバウンド、13アシスト)と劇的なブザービーターによってマブズが延長の末に勝利を収めた。

 キャリア初のプレーオフながら、21歳のドンチッチが堂々としたプレーぶりでマブズを牽引した一方、この試合でクリッパーズのポール・ジョージは45分間プレーしながらフィールドゴール21.4%(3/14)、3ポイント14.3%(1/7)の計9得点と絶不調。

 ジョージはシリーズ初戦こそフィールドゴール45.5%(10/22)、3ポイント36.4%(4/11)の27得点をあげたものの、翌第2戦から極度のスランプに突入。第4戦までの3試合でフィールドゴール25.0%以下と沈黙していた。

『Elias Sports Bureau』によると、プレーオフで10本以上のショットを放った選手で、3試合連続フィールドゴール25.0%以下に終わったケースは1960年のボブ・クージー以来、実に60年ぶりとなる珍事だった。
 
 第3戦終了後、ジョージの不振についてドック・リバース・ヘッドコーチは「心配してない。彼は素晴らしい選手。シュートする方法を忘れたわけじゃない。そのうちまた入るようになるさ」とコメント。相棒のカワイ・レナードも「2、3試合続けてショットが100%で決まっても、調子がいいというわけじゃない。またやり直せばいいんだ。彼は自信に満ちた選手だから、また(タッチを)取り戻すさ。俺たちがついてるんだから大丈夫」とフォローしていた。

 ジョージも「俺はジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)じゃない。シュートしてスコアすることが俺の特性ではないんだ。自分はコートの両エンドで効果的な働きができるということにプライドを持ってる。ショットが決まらない夜もあるけど、自分のゲームに影響を与えることは許されない。俺はポール・ジョージなんだ。他の誰でもない。俺は俺なのさ」と自身を鼓舞するように語っていた。

 その一方で「シューティング、スコアリングに苦しんでるのは確かだ。今夜のチームの勝利に影響を与えるほどじゃなかったのが救いだね」とスランプについて認めていた。