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グリズリーズのモラントが今季の新人王に選出!満票を逃すも「僕に1位票を入れなかった人に感謝のDMを送りたい」

秋山裕之

2020.09.04

グリズリーズのモラントが2019-20シーズンの新人王に選出。1年目からチームの主軸を担い、圧倒的な支持を集めての戴冠となった。(C)Getty Images

 9月3日(日本時間4日、日付は以下同)。NBAは2019-20シーズンの新人王に、メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントが選ばれたことを発表した。

 昨年10月の開幕から3月11日にシーズン中断となるまでの選考期間で、モラントは規定数に達したルーキー中トップとなる平均17.6点、6.9アシスト、フィールドゴール成功率49.1%を記録。100人のスポーツ記者と放送関係者による投票で99の1位票を含む計498ポイントを獲得し、2位のケンドリック・ナン(マイアミ・ヒート/計204ポイント)、3位のザイオン・ウィリアムソン(ニューオリンズ・ペリカンズ/計140ポイント)に大差をつけての受賞となった。

 モラントは中断明けのシーディングゲーム(順位決定戦)でもルーキーらしからぬ活躍を披露。チームは2勝6敗と苦しむなか、平均19.0点、6.4リバウンドに加えてリーグベストの9.9アシストをマーク。ポートランド・トレイルブレイザーズとのプレーインゲームに敗れプレーオフ進出こそ果たせなかったものの、その試合では自己最多の35得点、8アシストと最後までチームの牽引役を務めあげた。

 グリズリーズの選手としては2001-02シーズンのパウ・ガソル以来となる新人王となった21歳は、新人離れした勝負強さでも他のルーキーたちと一線を画した。
 
 モラントは今季、第4クォーターだけで平均7.0点(計433得点)をマーク。これはリーグ全体で9位(同7位)の数字であり、1996-97シーズンにクォーター別のスタッツが算出されるようになってから、平均7.0点以上を叩き出した史上2人目のルーキーとなった。もう1人は96-97シーズンのアレン・アイバーソン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)で同じく平均7.0点。その間20年以上にわたってこのスタッツに並ぶ者がいなかったことを考えると、モラントの終盤の勝負強さは特筆すべきものだと言っていい。

「ありがたいね。もちろん光栄さ。僕は来る日も来る日も練習に打ち込んできたんだ。この旅路は途中でこぼこしたものになってしまったけれど、最後は全てが報われたよ」

 モラントは喜びの言葉を口にした一方で、投票をした100人のうち、1人だけ自身ではなくザイオンに入れたことに対して粋なコメントも残した。「誰が僕に1位票を入れなかったのか知りたいね。モチベーションを与えてくれたということで、その人に感謝のDMを送りたいんだ」。

 ケガで多くの試合を欠場したライバルに対し、シーズンを通して活躍してきた自身こそが、満票で新人王を獲得できるという自信があったのだろう。それは惜しくも実現しなかったが、この男が文句なしで今季のベストルーキーだったことは明らか。天性の身体能力とボールハンドリングスキル、華麗なパスセンスを兼備する魅惑のルーキーが、今後どこまで進化を遂げるのか。その旅路から目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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