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NBA

ニックスの新指揮官に就任したトム・シボドーは、低迷する名門の救世主になれるのか?

杉浦大介

2020.09.02

シボドーは1996年から7年間ニックスでアシスタントコーチを経験。99年に第8シードからファイナル進出を果たした“ミラクル・ニックス”の一員でもある。(C)Getty Images

シボドーは1996年から7年間ニックスでアシスタントコーチを経験。99年に第8シードからファイナル進出を果たした“ミラクル・ニックス”の一員でもある。(C)Getty Images

■ブルズ、ウルブズでの実績から再建の切り札として期待がかかるが

〝ドリームジョブ――〞。
 7月30日、ニックスの第31代ヘッドコーチ(HC)に就任したトム・シボドーは、自身の新たな職をそう表現した。

「私にとってのドリーム・カム・トゥルーだ。夢の仕事だったからね。かつてニックスに(アシスタントコーチとして)いたこともあるから、ニューヨークのことは理解している。世界最高の街で、マディソンスクエア・ガーデンは世界最高のアリーナ。ニックスファンも世界最高のファンだよ」

 ニックスは昨季まで5シーズン連続で50敗以上を喫し、今季も21勝45敗。新型コロナウイルスによるシーズン中断がなければ50敗以上していたことは確実で、不名誉な記録は継続していただろう。そんな低迷中のチームの指揮官を夢のようだと感じる人物は、それほど多くはないかもしれない。ただ、ニューヨークの隣りのコネティカット州出身で、子どもの頃には父親に連れられてニックス戦を見に行っていたというシボドーにとっては、ニックスは確かに特別なチームなのだろう。

 レオン・ローズ新球団社長と親しいこともあり、シボドーはニックスの新HCの本命と見られていた。コーチとしてのキャリアも十分。ブルズを率いて1年目の2010-11シーズンにいきなり62勝をあげ、その後も15年まで5年連続で好成績を残している。ウルブズ時代も就任2年目の17-18シーズンに、チームを実に14年ぶりのプレーオフに導いた。こうした実績を振り返れば、シボドーが再建の切り札としてニューヨーカーから期待されても不思議はない。
 
 もっとも、コーチとしてのスタイルを考慮すると、シボドーは今のニックスに最適の人材ではないという声があるのも事実だ。守備指導に秀でていて、長時間の練習とフィルムセッションで選手の力を引き出すのが真骨頂。常に目先のゲームに勝ちにいくことを信条とするだけに、完全に再建体制にあるチームにフィットするかは確かに微妙かもしれない。

■負け癖が染みついたチームのメンタリティを変えられる人物

 ブルズ時代を振り返ると、HC就任時点でデリック・ローズ、ジョアキム・ノア、ルオル・デン、タージ・ギブソンといった計算できる戦力が揃っていた。ウルブズにもカール・アンソニー・タウンズ、アンドリュー・ウィギンズ、ザック・ラビーンらのスター候補がいた。それに比べ、今のニックスはどうか。RJ・バレット、ミッチェル・ロビンソン、フランク・二リキナ、ケビン・ノックスといった若手は、目の前の勝利を欲するシボドーの要求に応えられるだろうか。
 

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