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「エネルギーも興奮もなかった」前回大会MVPのレナードが胸中を吐露〈DUNKSHOOT〉

ダンクシュート編集部

2021.03.10

レナードは今年のオールスターについて「NBAスタッフ、組織の人間、選手にとっては悪いシチュエーションだった」と振り返った。(C)Getty Images

 2020-21シーズンのNBAオールスターは3月7日(日本時間8日、日付は以下同)にジョージア州アトランタのステイトファーム・アリーナで開催され、チーム・レブロンが170-150でチーム・デュラントを破って勝利を飾った。

 新型コロナウイルスの影響で、スキルズチャレンジ、3ポイントコンテスト、スラムダンク・コンテスト、本選を1日に凝縮して行なう異例の形式となったが、3年連続の出場となったカワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)は、今年は一切気持ちの盛り上がりもなかったと胸中を吐露している。

 今年のオールスターは当初、2月13~15日にインディアナで開催予定だったが、コロナで昨季終了がずれ込み、72試合の短縮シーズン(通常は82試合)になったことで3月6~10日がブレイク期間となったため、昨年11月に延期を決めた。

 そんななか、NBAは2月18日にアトランタでオールスターを開催し、例年は3日間のイベントを、1日限りの祭典形式を採用することを発表。だがこの決定にレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、「今年のオールスターに関しては、エネルギーも興奮もゼロだ。俺たちは71日間の短いオフを終え、シーズンインした。当初はオールスターを開催しないという話だったから、良いミニブレイクが取れると思っていた。顔面に平手打ちを食らった気分だ」と、方針変更に難色を示していた。
 
 本選では新型コロナウイルスの検査で陰性ながら、濃厚接触者と見られ、ジョエル・エンビードとベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)が急遽欠場。「チーム・デュラント」のキャプテンだったケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)も、左ハムストリングの負傷で出場回避となった。

 やや大味な試合となったなかで、チーム・レブロンが170-150で勝利。フィールドゴール16本すべてを成功させ、35得点をあげたヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)が初のMVPに輝いた。チーム・デュラントの一員としてスタメン出場し、20分間のプレーで8得点(FG3/8、3ポイント2/7)、9リバウンド、8アシストを記録したレナードは、試合後のオンライン会見に対応。

「君は去年シカゴで(オールスター)MVPに輝き、コビー(ブライアント)の名前が入ったトロフィーを獲得して君にとってもいろんな意味があったと思う。今年のオールスターの経験は何が違う?」との記者からの質問に正直な思いを明かした。

「周りに観客もいないし、エンターテインメント性はない。エネルギーも興奮もなかった。プレーしている時はいいけど、コートを離れたら死んでいるようなものさ。アトランタの町は活気づいているけど、NBAスタッフ、組織の人間、選手にとっては悪いシチュエーションだった」

 新型コロナウイルスの不安と戦いに加え、オールスターの本来の魅力であるエンターテインメント性の欠如。過密日程のなかでは、レナードら選手たちにとって肉体的にもメンタル的にも負担のあるものとなってしまったようだ。

構成●ダンクシュート編集部
 
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