東京五輪

アメリカが3年間で2敗した“天敵”オーストラリアと準決勝で激突!チームが警戒すべき選手は?【東京五輪】

秋山裕之

2021.08.04

アメリカはオーストラリアのエース、ミルズ(右)をどう抑えるかが勝利の鍵となりそうだ。(C)Getty Images

 8月3日に行なわれた東京オリンピックの準々決勝は、スロベニアがドイツを、アメリカがスペインを、フランスがイタリアを、オーストラリアがアルゼンチンをそれぞれ下し、準決勝へと駒を進めた。

 準決勝のカードはアメリカ対オーストラリア、スロベニア対フランスとなった。初出場のスロベニアにはルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)がおり、彼が加入後チームは17戦無敗。一方のフランスは2000年のシドニー大会以来の準決勝に挑む。激しい戦いが予想されるが、ここではアメリカ対オーストラリア戦について見ていきたい。

 アメリカはグレッグ・ポポビッチがヘッドコーチ(HC)が就任して以降、フランスとオーストラリアに2敗している。前者は19年のワールドカップ準々決勝と、今回のオリンピックのグループリーグ初戦、後者はいずれもエキシビションゲームだが、チームにとっては天敵と言っていい。

 19年8月、ワールドカップを前にオーストラリア代表と2連戦をこなしたアメリカは、2戦目に94-98で敗戦。チームは06年以降エキシビションゲームを含む国際大会で78連勝をマークしていたが、その連勝がついにストップした。
 
 この試合と、今年7月に行なわれたエキシビションゲームで共通している点は終盤にオーストラリアが抜け出したこと。エースのパティ・ミルズ(サンアントニオ・スパーズ)は19年のゲームでチーム最後の10得点を1人で叩き出してゲームハイの30得点、7月の対戦でも残り約4分半からオーストラリアが11-1のランを仕掛けて逆転勝ちを収めている。

 ミルズは今大会で平均20.8点、5.3アシストを記録。32歳のガードはオフボールで動き回り、ボールを手にすれば積極的にショットを放ち、勝負強さもあるため、アメリカにとって最も警戒すべきプレーヤーだ。

「彼にはすごい自信が備わっている。もっと多くの場面でボールを持たなきゃいけないね。彼がこのチームを象徴している選手なのは間違いない」とブライアン・グージアンHCも太鼓判を押す。

 先月のエキシビションゲームで勝利した後も、ミルズは「俺たちはこのチームを信じている。誰がコートに立っても、インパクトを残すことができるんだ」と自信満々に語っていた。

 チームメイトのジョー・イングルズ(ユタ・ジャズ)も「僕らは勝てると思って試合に臨んだ。別に彼ら(アメリカ)を侮辱しているわけじゃない、相手はとんでもないチームだ。でも僕らは勝てると見込んでここに来た。そしてそれをやってのけたのさ」と手応えを掴んでいた。
 
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