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NBA

エースのビールが八村塁ら若手に最大級の賛辞「彼らこそチームが必要としていた選手だ」

秋山裕之

2019.10.28

得点源のビール(左)はここまでFG成功率30.8%と低調だが、平均16.3点をマークする八村を筆頭に、若手選手がエースの不振をカバーしている。(C)Getty Images

得点源のビール(左)はここまでFG成功率30.8%と低調だが、平均16.3点をマークする八村を筆頭に、若手選手がエースの不振をカバーしている。(C)Getty Images

 八村塁が所属するワシントン・ウィザーズは、開幕から4日間で3試合、アウェー3連戦というハードなスケジュールを1勝2敗で乗り切った。

 今季のウィザーズは若手を積極的に起用し、1025日(日本時間26日)のオクラホマシティ・サンダー戦に勝利。この試合はオールスターのブラッドリー・ビールがフィールドゴール31.8%(7/22)とシュートタッチに苦しんだが、若手インサイドデュオがエースの不振を見事にカバーした。

 キャリア3年目の22歳、トーマス・ブライアントがいずれもチームトップとなる21得点、11リバウンド、3ブロック、3ポイントも42.9%(3/7)という高確率で沈めた。

 そしてルーキーの八村がチームトップの3439秒間コートに立ち、19得点、5リバウンド、2アシスト、1スティールをマーク。さらにベンチからは、キャリア4年目のダービス・ベルターンスが13得点、2年目のモリッツ・ヴァグナーが10得点、7リバウンド、新人のアドミラル・スコフィールドも約10分という限られたプレータイムながら7得点、5リバウンドで勝利に貢献していた。

「彼らは素晴らしいね。僕らは極めてハードにプレーしていた。ゲーム終盤、彼らは自分自身を犠牲にしてプレーしてくれた。それがゲームを締めくくり、勝利を収めることができた要因だったんだ。2、3年前だったら、今夜のようにゲームを締めくくることはできなかったかもしれない。でも今の僕らは(当時とは)異なったグループであり、ゲームに集中して勝利を欲する選手たちが集まっている。それこそ、このチームが必要としていたものなんだ」
 
 ビールのこの言葉は八村をはじめとする若手選手たちにとって、最大級の賛辞と言っていい。特にサンダー戦で2人合わせて40得点、16リバウンドを叩き出したブライアントと八村は、その筆頭だろう。

 試合時間残り4分27秒。サンダーに83対83と同点に追いつかれた場面、八村はダニーロ・ガリナーリ相手に左45度付近からペイントエリア右側まで自ら持ち込み、ウィザーズの連続得点へとつなげる貴重なショットを成功。この得点で八村がチームに流れを引き寄せたことも、この試合を振り返るうえで重要なプレーだった。

「常に落ち着いていて、アグレッシブになるんだ。彼はゲームプランに忠実で、何かを強引にやることもない。ゲームのなかで状況を確認し、オープンだったらアグレッシブに攻め立てるんだ」

 ブライアントは地元メディアの『The Washington Post』に、“相棒”の八村を絶賛するコメントを残した。アンセルフィッシュながら毎試合しっかりと結果を残す21歳のルーキーは、ここまで3試合連続で2桁得点を記録中。「まるでベテランのようだ」とスコット・ブルックス・ヘッドコーチが評しており、早くもウィザーズに不可欠な戦力となっていることは間違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)
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