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「ミスは気にするな!」“1対1の達人”が悩める逸材シモンズへ助言「自信をNBAに持ち込むだけ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.09.18

守備を含めた実力はNBAでも指折り。シモンズは再び自信を取り戻せるか。(C)Getty Images

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズのオールスターガード、ベン・シモンズがチームへトレード志願したと報じられてから約2週間が経過した。だが、その間にトレードに関する進展はほぼなく、シモンズは9月28日(現地時間)からスタートするトレーニングキャンプにも顔を出さないと予想されている。

 211cmのサイズを持つ大型ポイントガードは、2018年の新人王を皮切りに、3年連続でオールスター、2年連続でオールディフェンシブ1stチーム選出と実績は十分。しかし現代バスケットボールに不可欠なシュート力の欠如が尾を引き、現在はすっかり評価を落としている。

 特に昨プレーオフでは苦手なフリースローを意図的に打たせる"ハック戦術"にはまってしまい、成功率34.2%という屈辱的な結果で戦犯に挙げられた。

 シモンズはまだ25歳と若いものの、今季を含めた4シーズンで約1億4700万ドル(約160億2300万円)という超巨額契約が残っていることもトレードの足かせとなっている。

 そんななか、2018年を最後にNBAから離れ、3オン3のプロリーグ「BIG3」で活躍するジョー・ジョンソン(元アトランタ・ホークスほか)が『TMZ Sports』でシモンズについて言及。「全ては自信がないことだ」と不振の原因を分析した。
 
「正直なところ、俺はそれ(自信の欠如)が間違いではないと見ている。皆は彼がピックアップゲームでジャンパーやフェイダウェイ、スリーを打っているのを見てきたはずだ。そう、我々は彼ができることを知っている」

 オフシーズン恒例とも言えるのだが、シモンズはトレーナーとのワークアウトやピックアップゲームで、NBAの試合ではほとんど見せないジャンパーや3ポイントを沈めている。

 NBAで同様のパフォーマンスを見せられるか。それがシモンズ復調のカギとなるだけでなく、チームにとっても大きなプラスとなるのは間違いない。ジョンソンはこうも読み解いている。

「彼はピックアップゲームの時と同じ自信をNBAの試合に持ち込むだけ。それが大事なんだ。誰だって失敗することはあるし、決めることもある。そこでミスしたことを気にかけないことだね。彼は打ち続けなきゃいけないんだ」

 そう話したジョンソンは、屈強な肉体と豊富なスキルを持ち、全盛期には憎たらしいほどの勝負強さでクラッチショットを連発。無類の1オン1の強さから"アイソ・ジョー"(アイソ=アイソレーション。特定の選手に攻めさせるためスペースを与える戦術)の異名がつけられた達人だ。そんなジョンソンいわく、常に自信を持ち続けることが最も重要だというわけだ。

 プレーオフという王座をかけた舞台では、相手の弱みを徹底的に突くのは当然。昨季のプレーオフで相手チームが仕掛けた罠を乗り越えることができなかったシモンズには、まだリベンジする時間は残されている。自信を取り戻し、再び躍動する姿を待ちたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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