現地時間12月4日(日本時間5日、日付は以下同)に行なわれたサンアントニオ・スパーズ戦。ゴールデンステイト・ウォリアーズは前日にフェニックス・サンズの連勝を18でストップしたものの、この日は107-112で敗れた。
ウォリアーズのスーパースター、ステフィン・カリーはこの試合でゲームハイの27得点に8リバウンド、5アシスト、3スティールを残すも、フィールドゴール25.0%(7/28)、3ポイント29.4%(5/17)とシュートタッチが振るわず、ウォリアーズは今季ホーム2敗目を喫した。
それでもカリーは第3クォーター終了間際、ハーフコート付近から3人のディフェンダーがいる中で"ロゴスリー"を放り込みファンを沸かせた。
3ポイントでバスケットボール界を大きく変えたカリーは、これまで何度も決勝弾となる長距離砲を決めてきた。
そのなかで特に印象的なのが、2015-16シーズンのオクラホマシティ・サンダー戦で決めたディープスリーだ。16年2月27日に行なわれたこの試合の延長終盤、カリーは3ポイントラインから遠く離れた位置から躊躇なくプルアップスリーをねじ込んでいる。
もっとも、カリーにとってゲームウィナーを沈める心構えが整ったのは、そのショットの約1年前のことだという。『NBC Sports Bay Area』のインタビューに応じたカリーは、14年12月2日のオーランド・マジック戦を挙げていた。
「(サンダー戦から)1年ほど前のオーランド戦と言いたいね。僕らは2点差で負けていて、トバイアス・ハリス(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)の上からプルアップスリーを決めたんだ。あの時、僕は『クラッチタイムでもアグレッシブに行けるぞ』、と考えが変わったんだ。ダガー(相手の息の根を止めるショット)もいけるんだとね。あのショットはディープではなかったけど、外せば負けというリスキーなショットだった。ファウルを獲得してフリースローを狙うこともできたけれど、僕はリスクを取り、それがうまくいったのさ」
このマジック戦でカリーが自軍でボールを持ったのは残り約8秒。そこからリングへと突進してファウルをもらう選択肢もあった。だが彼は右エルボー付近からドリブルでハリスを揺さぶり、鮮やかなプルアップスリーを決めてウォリアーズを逆転勝利に導いた。
「あれがあったからこそ、OKC(オクラホマシティ)との試合につながったんだ。同じメンタリティで臨めた。自然の成り行きってやつさ。何度も練習を重ねて、チャンスを手にして、自分自身を信じることができた。もちろん、最初からあの距離で打ったりはしない。練習とかで回数を重ねてきたから、大胆さが身についたんだと思う」
相手からすれば、コートのどこからでもシュートを決められる男がいるだけで神経をすり減らされるだけに、そのストレスは途方もないレベルなのだろう。
その後カリーはフィジカル面を鍛え上げ、ディフェンスで穴になることはほぼなくなっている。さらに攻撃でもオフボールムーブで相手選手と何度も接触しながらコートを走り回ってショットまで持ち込んでおり、その運動量はリーグ屈指と言っていい。
相棒のクレイ・トンプソンは数週間以内の復帰が噂されているが、ウォリアーズがこの先もリーグ上位の戦績をキープできるかは、この男のパフォーマンスにかかっているのは間違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
【PHOTO】プレーでもルックスでもファンを魅了!NBA史上最高のシューター、ステフィン・カリーの厳選ショット!
ウォリアーズのスーパースター、ステフィン・カリーはこの試合でゲームハイの27得点に8リバウンド、5アシスト、3スティールを残すも、フィールドゴール25.0%(7/28)、3ポイント29.4%(5/17)とシュートタッチが振るわず、ウォリアーズは今季ホーム2敗目を喫した。
それでもカリーは第3クォーター終了間際、ハーフコート付近から3人のディフェンダーがいる中で"ロゴスリー"を放り込みファンを沸かせた。
3ポイントでバスケットボール界を大きく変えたカリーは、これまで何度も決勝弾となる長距離砲を決めてきた。
そのなかで特に印象的なのが、2015-16シーズンのオクラホマシティ・サンダー戦で決めたディープスリーだ。16年2月27日に行なわれたこの試合の延長終盤、カリーは3ポイントラインから遠く離れた位置から躊躇なくプルアップスリーをねじ込んでいる。
もっとも、カリーにとってゲームウィナーを沈める心構えが整ったのは、そのショットの約1年前のことだという。『NBC Sports Bay Area』のインタビューに応じたカリーは、14年12月2日のオーランド・マジック戦を挙げていた。
「(サンダー戦から)1年ほど前のオーランド戦と言いたいね。僕らは2点差で負けていて、トバイアス・ハリス(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)の上からプルアップスリーを決めたんだ。あの時、僕は『クラッチタイムでもアグレッシブに行けるぞ』、と考えが変わったんだ。ダガー(相手の息の根を止めるショット)もいけるんだとね。あのショットはディープではなかったけど、外せば負けというリスキーなショットだった。ファウルを獲得してフリースローを狙うこともできたけれど、僕はリスクを取り、それがうまくいったのさ」
このマジック戦でカリーが自軍でボールを持ったのは残り約8秒。そこからリングへと突進してファウルをもらう選択肢もあった。だが彼は右エルボー付近からドリブルでハリスを揺さぶり、鮮やかなプルアップスリーを決めてウォリアーズを逆転勝利に導いた。
「あれがあったからこそ、OKC(オクラホマシティ)との試合につながったんだ。同じメンタリティで臨めた。自然の成り行きってやつさ。何度も練習を重ねて、チャンスを手にして、自分自身を信じることができた。もちろん、最初からあの距離で打ったりはしない。練習とかで回数を重ねてきたから、大胆さが身についたんだと思う」
相手からすれば、コートのどこからでもシュートを決められる男がいるだけで神経をすり減らされるだけに、そのストレスは途方もないレベルなのだろう。
その後カリーはフィジカル面を鍛え上げ、ディフェンスで穴になることはほぼなくなっている。さらに攻撃でもオフボールムーブで相手選手と何度も接触しながらコートを走り回ってショットまで持ち込んでおり、その運動量はリーグ屈指と言っていい。
相棒のクレイ・トンプソンは数週間以内の復帰が噂されているが、ウォリアーズがこの先もリーグ上位の戦績をキープできるかは、この男のパフォーマンスにかかっているのは間違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
【PHOTO】プレーでもルックスでもファンを魅了!NBA史上最高のシューター、ステフィン・カリーの厳選ショット!