今季からロサンゼルス・レイカーズに加入したラッセル・ウエストブルック。11月12日に33歳を迎えた彼は、依然としてコートを縦横無尽に暴れ回るプレースタイルを貫いている。そんなウエストブルックを、イースタン・カンファレンスのチームの某エグゼクティブはあるレジェンドに例えていた。
「ラスはアレン・アイバーソンを思い出させる。あくまで自分自身のやり方で勝ちたがっているところがね。もし彼がLAで一歩引いて勝利することができるなら、これまでリーグで成し遂げてきたこと全てが正当化されるだろう」
ウエストブルックは2017年にシーズンMVPを獲得したほか、オールスター選出9度(うちMVP2度)、オールNBAチームに9度選ばれた実績を持ち、得点王2回、アシスト王には3回輝いてきた。
通算トリプルダブル達成数はNBA史上最多の189回。シーズン平均トリプルダブルを4度も達成し、今年10月には75周年記念チームにも名を連ねるなど、将来の殿堂入りも確実と言っていいだろう。
一方で、そのアグレッシブすぎるプレースタイルゆえ、ミスも多く、PGとしての力量は評価が分かれるところ。得意とは言えない3ポイントを乱発し、試合の勝敗を決する場面での不安定さもあって、実績ほどの評価を得ていない面もある。
ウエストブルック自身はこのアイバーソンとの比較について「いくつかの理由で、俺は賛同できない」と切り出し、こう話している。
「1つ目は、俺はアレンと彼がやり遂げてきたことをリスペクトしているということ。どんな方法であろうと、俺がアレン・アイバーソンと比較されることはない。
2つ目は、俺は常にチームが良くなるためにベストを尽くしてきた。それをキャリアの中でずっとやってきたし、これから先に何が起ころうと、今後もそれを続けていく。チャンピオンシップを勝ち取れたら最高だ。だけど、できなくてもいい。人生は続いていくんだから」
一昔前と違って、現代ではSNSによって試合中の好プレーや珍プレー、重大なミスといったシーンが切り取られ、世界中に拡散されるだけに、人々が選手へ抱くイメージも様々である。
なかでもウエストブルックは大男相手にリバウンドをもぎ取り、そのままボールを持ち込んでゴールへアタックするなど、まるでゲームのような超人的プレーを見せる稀有な選手。そのことはもちろん本人も自覚している。
「皆はこれまでに俺のような選手を見たことがないのさ。今まで見たことがないから、ネガティブなことを指摘する。それが現実なんだ。俺たちは今、そんな世界に生きている。俺はそれでオーケーだし構わない。自分がやるべきことをやって勝利を目指していく」
現在13勝13敗と低調なレイカーズが今後浮上し、覇権争いに加わるためには、レブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスとともに、ウエストブルックのパフォーマンスも重要になってくることは間違いない。
その道中には再び批判にさらされることもあるだろう。それでも、ウエストブルックは己の信じる道を歩み、コートに立って全力プレーを続けていく。
文●秋山裕之(フリーライター)
「ラスはアレン・アイバーソンを思い出させる。あくまで自分自身のやり方で勝ちたがっているところがね。もし彼がLAで一歩引いて勝利することができるなら、これまでリーグで成し遂げてきたこと全てが正当化されるだろう」
ウエストブルックは2017年にシーズンMVPを獲得したほか、オールスター選出9度(うちMVP2度)、オールNBAチームに9度選ばれた実績を持ち、得点王2回、アシスト王には3回輝いてきた。
通算トリプルダブル達成数はNBA史上最多の189回。シーズン平均トリプルダブルを4度も達成し、今年10月には75周年記念チームにも名を連ねるなど、将来の殿堂入りも確実と言っていいだろう。
一方で、そのアグレッシブすぎるプレースタイルゆえ、ミスも多く、PGとしての力量は評価が分かれるところ。得意とは言えない3ポイントを乱発し、試合の勝敗を決する場面での不安定さもあって、実績ほどの評価を得ていない面もある。
ウエストブルック自身はこのアイバーソンとの比較について「いくつかの理由で、俺は賛同できない」と切り出し、こう話している。
「1つ目は、俺はアレンと彼がやり遂げてきたことをリスペクトしているということ。どんな方法であろうと、俺がアレン・アイバーソンと比較されることはない。
2つ目は、俺は常にチームが良くなるためにベストを尽くしてきた。それをキャリアの中でずっとやってきたし、これから先に何が起ころうと、今後もそれを続けていく。チャンピオンシップを勝ち取れたら最高だ。だけど、できなくてもいい。人生は続いていくんだから」
一昔前と違って、現代ではSNSによって試合中の好プレーや珍プレー、重大なミスといったシーンが切り取られ、世界中に拡散されるだけに、人々が選手へ抱くイメージも様々である。
なかでもウエストブルックは大男相手にリバウンドをもぎ取り、そのままボールを持ち込んでゴールへアタックするなど、まるでゲームのような超人的プレーを見せる稀有な選手。そのことはもちろん本人も自覚している。
「皆はこれまでに俺のような選手を見たことがないのさ。今まで見たことがないから、ネガティブなことを指摘する。それが現実なんだ。俺たちは今、そんな世界に生きている。俺はそれでオーケーだし構わない。自分がやるべきことをやって勝利を目指していく」
現在13勝13敗と低調なレイカーズが今後浮上し、覇権争いに加わるためには、レブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスとともに、ウエストブルックのパフォーマンスも重要になってくることは間違いない。
その道中には再び批判にさらされることもあるだろう。それでも、ウエストブルックは己の信じる道を歩み、コートに立って全力プレーを続けていく。
文●秋山裕之(フリーライター)