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テイタムがブラウンと“真のデュオ”となったきっかけを明かす「あの敗戦で僕らは近しくなった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.06.11

テイタム(左)とブラウン(右)の絆は、ニックス戦での屈辱の逆転負けをきっかけに深まったという。(C)Getty Images(C)Getty Images

 今季序盤戦のボストン・セルティックスは、開幕7試合で2勝5敗と出遅れるなど不安定なスタートを切っていた。

 現地時間2021年11月1日(日本時間2日、日付は以下同)のシカゴ・ブルズ戦では、第3クォーター残り約3分の時点で19点リードを手にするも114-128で逆転負け。この敗戦にリーダー格のマーカス・スマートは「どのチームも、僕らがジェイソン(テイタム)とジェイレン(ブラウン)で行こうとしているとわかっている。どのチームもあの2人をストップしようと向かってきている。で、スカウティングレポートでは彼らからボールを手放すように仕向けてパスをさせようとしている。でもあの2人はパスしたがらないんだ」と苦言を呈していた。

 その後は徐々に持ち直したとはいえ、1月6日のニューヨーク・ニックス戦ではハーフタイムの時点で63-47とリードしていたものの、最後はRJ・バレットの3ポイントがブザービーターで決まって逆転負けを喫するなど、なかなか嚙み合わずにいた。

 セルティックスで主軸を担うテイタムとブラウンは、互いのファーストネームにジェイ(Jay)がつくことから、今では"ジェイズ"と知られるようになった。そんな彼らが嚙み合い始めたきっかけは、そのニックス戦だったという。
 
 6月9日に公開された『ESPN』とのインタビューで、テイタムは「今シーズンを通して、僕がどん底だったのはチームがニックスに負けた時だった」と切り出し、こう明かしている。

「ブザービーターで負けた時だ。あの時はもう本当にイライラしていた。ソーシャルメディアやスマートフォン、テレビの盛り上がりを耳にするなというのは無理なことだったね。僕らの耳にもそれは入っていたんだ。その時、僕らは近しくなった。話もしたし、一緒に映像を観るようになったんだ。そこで僕らは互いのこと、そしてこのチームについて気にかけて、勝利することに集中していったんだ」

 その後セルティックスは攻守でケミストリーを奏で、プレーオフではイースタン・カンファレンスを勝ち上がり2010年以来のNBAファイナル進出。ゴールデンステイト・ウォリアーズを相手にここまでシリーズ戦績2勝2敗と、14年ぶりのリーグ制覇まであと2勝に迫っている。

 屈辱の敗戦をきっかけに、絆を深めたテイタムとブラウン。セルティックスを攻守で牽引する若きデュオが、名門を18度目の優勝へと導けるか注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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