NBA

ブラウンのメンターは“バッドボーイズの首領”トーマス「家に来て『どうしたら上手くなれる?』って聞いてきたんだ」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.06.12

ブラウン(写真)をメンターとして支えるのがトーマスだ。大学時代にはいきなり彼の家を訪ねて助言を求めたという。(C)Getty Images

 ゴールデンステイト・ウォリアーズとボストン・セルティックスによる2022年のNBAファイナルは、第4戦を終えた時点で2勝2敗。どちらも一歩も譲らない、互角の戦いが続いている。

 そのなかで、2010年以来のファイナル進出を果たし、2008年以来のリーグ制覇を目指すセルティックスを攻守で牽引するのがジェイレン・ブラウン。25歳の生え抜きスウィングマンはここまで4試合で、ジェイソン・テイタムと並ぶチームトップの平均22.3点をマークするほか、7.0リバウンド、3.8アシスト、さらにはディフェンスでも大きく貢献するなどオールラウンドな活躍を披露している。

 198cm・101kgの屈強な肉体を駆使してアグレッシブなアタックからペイントエリアをこじ開け、シリーズ途中から守備の名手ドレイモンド・グリーンがマッチアップ相手となってもタフショットをヒット。チームのオフェンスの突破口を切り開いている。

 そんなブラウンをメンター(助言者)として支えているのは、アイザイア・トーマスだという。1980年代後半の"バッドボーイズ"デトロイト・ピストンズのリーダー役を務め、1989、90年にチームを連覇へ導いた名ポイントカードである。
 
 リーグ史に名を残す司令塔であり、2000年にバスケットボール殿堂入りを果たしたほか、昨年にはNBAの75周年記念チームにも選出。そんなトーマスは10日に行なわれたファイナル第4戦を前に、『NBA TV』でブラウンのカリフォルニア大時代のエピソードを話していた。

「NCAA(トーナメント)で敗れたあと、彼は夜中のフライトでニューヨークへ来た。すると翌日には私の家のドアをノックしていたんだ。そこで彼は『どうしたら僕はもっと上手くなれる?』と話してきてね。誰かが本を手にしたら、その本を読まなければならない。そのことを理解しないといけない。誰かから学びたいと話されたら、そうするものさ。彼は探究者なんだ。自ら動いて見つけ出す男なのさ」

 現地時間6月10日(日本時間11日、日付は以下同)のシリーズ第4戦、ブラウンは21得点、6リバウンドをマークするも、チームは残り約5分から3-17とウォリアーズに圧倒されてしまい、最終スコア97-107で敗戦。どちらも勝てば王手となる第5戦は13日、敵地チェイス・センターで行なわれるだけに、ブラウンは次戦に向けて勝利のために最善を尽くして臨むことだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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