現地時間9月9日、今年のバスケットボール殿堂入りメンバーたちがコネティカット州モントビルで記者会見を行なった。
これまで殿堂入り候補としてノミネートされながら、5度落選してきたティム・ハーダウェイは今年念願の殿堂入り。現在ダラス・マーベリックスでプレーするティム・ハーダウェイJr.の父は現役時代、平均17.7点、8.2アシスト、1.6スティールを残し、オールスターとオールNBAチームにそれぞれ5度選ばれた。
今年ハーダウェイが殿堂入りしたことにより、ゴールデンステイト・ウォリアーズで“ランTMC”として一世を風靡したハーダウェイ、ミッチ・リッチモンド、クリス・マリンが揃って殿堂入りすることとなった。
名将ドン・ネルソンの下、彼らは1989-90、90-91シーズンに共闘。特に90-91シーズンにはいずれも平均20点以上をマークし、ウォリアーズをウエスタン・カンファレンス7位の44勝38敗(勝率53.7%)に導いた。
さらにプレーオフのファーストラウンドでは第2シードのサンアントニオ・スパーズを3勝1敗で下すアップセットを達成した。カンファレンス・セミファイナルでロサンゼルス・レイカーズに1勝4敗で敗れたとはいえ、超攻撃的なトリオとして注目を浴びていた。
だが、91年11月1日にリッチモンドがビリー・オーウェンスを絡めたトレードでサクラメント・キングスへ移籍したことで、突如ランTMCは終焉。
「今でも、あの頃のことを思うと胸が苦しくなる。僕らはファミリーなんだ。ずっと家族だった…。だから殿堂入りしたことを大切にするよ。あの2年間で何かをやり遂げた3人が殿堂入りするなんて、言葉が浮かんでこないよ」
ハーダウェイは、米スポーツ専門局『ESPN』へウォリアーズ時代をそう振り返った。結局、この3選手のうち優勝を経験したのはリッチモンドのみ。といっても、それはキャリア最後の2001-02シーズンにレイカーズで飾った優勝であり、チームへの貢献度は低かった。
それでも、マリンにとって“ランTMC”時代はキャリアの中で最もスペシャルな日々だったという。
「私たちは2シーズンだけ一緒にプレーした。振り返ってみるとある意味悲しいことでもある。私たちにとって、一緒にプレーしていた時というのはベストな時間だったからね。私にとっては最も楽しかったし、(気分を)高揚させてくれたし、活気に満ちていた時でもあったんだ」
リッチモンドにとっても、ウォリアーズからトレードされたことは今でも胸が痛むようだ。「あのことは今でも僕を傷つけている。(僕らが)離れ離れになってしまったし、僕にとって初めてのトレードだったから」と悔やんでいた。
1990年代はビッグマン全盛の時代。もし“ランTMC”がその後もウォリアーズでプレーを続けていても、チャンピオンシップを獲得できていたのかは誰にも分からない。
それでもハイパーオフェンスを展開した彼らが、リーグに強烈なインパクトを残したことは紛れもない事実なのだ。
今年ハーダウェイがようやく殿堂入りを飾ることで、胸のつかえがとれ、“ランTMC”が表舞台へ顔を出す機会が増えることになるかもしれない。
文●秋山裕之(フリーライター)
これまで殿堂入り候補としてノミネートされながら、5度落選してきたティム・ハーダウェイは今年念願の殿堂入り。現在ダラス・マーベリックスでプレーするティム・ハーダウェイJr.の父は現役時代、平均17.7点、8.2アシスト、1.6スティールを残し、オールスターとオールNBAチームにそれぞれ5度選ばれた。
今年ハーダウェイが殿堂入りしたことにより、ゴールデンステイト・ウォリアーズで“ランTMC”として一世を風靡したハーダウェイ、ミッチ・リッチモンド、クリス・マリンが揃って殿堂入りすることとなった。
名将ドン・ネルソンの下、彼らは1989-90、90-91シーズンに共闘。特に90-91シーズンにはいずれも平均20点以上をマークし、ウォリアーズをウエスタン・カンファレンス7位の44勝38敗(勝率53.7%)に導いた。
さらにプレーオフのファーストラウンドでは第2シードのサンアントニオ・スパーズを3勝1敗で下すアップセットを達成した。カンファレンス・セミファイナルでロサンゼルス・レイカーズに1勝4敗で敗れたとはいえ、超攻撃的なトリオとして注目を浴びていた。
だが、91年11月1日にリッチモンドがビリー・オーウェンスを絡めたトレードでサクラメント・キングスへ移籍したことで、突如ランTMCは終焉。
「今でも、あの頃のことを思うと胸が苦しくなる。僕らはファミリーなんだ。ずっと家族だった…。だから殿堂入りしたことを大切にするよ。あの2年間で何かをやり遂げた3人が殿堂入りするなんて、言葉が浮かんでこないよ」
ハーダウェイは、米スポーツ専門局『ESPN』へウォリアーズ時代をそう振り返った。結局、この3選手のうち優勝を経験したのはリッチモンドのみ。といっても、それはキャリア最後の2001-02シーズンにレイカーズで飾った優勝であり、チームへの貢献度は低かった。
それでも、マリンにとって“ランTMC”時代はキャリアの中で最もスペシャルな日々だったという。
「私たちは2シーズンだけ一緒にプレーした。振り返ってみるとある意味悲しいことでもある。私たちにとって、一緒にプレーしていた時というのはベストな時間だったからね。私にとっては最も楽しかったし、(気分を)高揚させてくれたし、活気に満ちていた時でもあったんだ」
リッチモンドにとっても、ウォリアーズからトレードされたことは今でも胸が痛むようだ。「あのことは今でも僕を傷つけている。(僕らが)離れ離れになってしまったし、僕にとって初めてのトレードだったから」と悔やんでいた。
1990年代はビッグマン全盛の時代。もし“ランTMC”がその後もウォリアーズでプレーを続けていても、チャンピオンシップを獲得できていたのかは誰にも分からない。
それでもハイパーオフェンスを展開した彼らが、リーグに強烈なインパクトを残したことは紛れもない事実なのだ。
今年ハーダウェイがようやく殿堂入りを飾ることで、胸のつかえがとれ、“ランTMC”が表舞台へ顔を出す機会が増えることになるかもしれない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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