9月14日に行なわれたユーロバスケット2022。準々決勝、最後の一戦となったスロベニア対ポーランドでは、驚きのアップセットが待っていた。
大方の予想はNBAのスーパースター、ルカ・ドンチッチを擁するスロベニアの圧勝、というものだったが、3ポイントシュートが快調に決まったポーランドが序盤から優勢。それどころかどんどん差を広げ、ディフェンディングチャンピオン相手に第2クォーター終盤には最大23点ものリードを奪った。
しかしそのままワンサイドゲームで進むはずはなく、後半にスロベニアが反撃。前回王者はそれまで不発だった外のシュートも決まり出し、24-6と第3クォーター全体でビッグランを作った。さらに1点差で迎えた第4クォーター開始直後には、ゴラン・ドラギッチの得点で逆転に成功する。
ところが、さらに予想を裏切ったのは、ポーランドのそこからの復活だ。第3クォーター、前半好調だった3ポイントにすがり、無駄打ちしては相手にリバウンドを取られる悪循環に陥っていた彼らは、再び追いかける側になったことで落ち着きを取り戻す。堅実にゴールを狙いにいく本来のプレーで、また得点を積み上げていった。
ここで逆に焦り出したのはスロベニア側。前半からリズムに乗れていなかったドンチッチは、審判の笛にも苛立ちをつのらせるなど、明らかに本調子とは程遠かった。そしてなんと、逆転を許した残り3分に5ファウルで退場。不完全燃焼のままコートをあとにした。
スロベニアはその後も意地を見せたものの、相手の背中を捕らえ切れず。決勝でスロベニアと当たるのを避けたいドイツファンも相手の応援にまわり、会場中の声援を浴びながら王者の猛追をしのいだポーランドが、90-87で歴史的勝利を手に入れた。
勝利の立役者は、これが4回目のユーロバスケット出場となる同国のヒーロー、マテウス・ポニツカ。26得点、16リバウンド、10アシストと、1995年以降トニー・クーコッチ(クロアチア)とアンドレイ・マンダシェ(ルーマニア)の2人しか達成していないトリプルダブルの大活躍を見せた。
また、第3クォーターに点差を詰められている場面でも、「選手たちはやがて落ち着きを取り戻す」と信じて、タイムアウトをあえて取らずに辛抱強く耐えたイゴール・ミリチッチHC の采配も見事だった。
一方、前半に何度か背中からフロアに倒れ、左腰のあたりをさすっていたドンチッチは、後半は痛み止めの注射を打って臨んでいたことを明かした。しかし「それは理由にはならない。今日はひどいプレーだった。チームメイトを、応援してくれた国のみんなをがっかりさせてしまった。自分の責任だ。試合を見直して、改善点を探りたい」と謙虚に言葉を紡いだ。
セルビアのニコラ・ヨキッチ、ギリシャのヤニス・アデトクンボに続き、ドンチッチまでもが姿を消した波乱のユーロバスケット。準決勝は現地16日、ポーランド対フランス、ドイツ対スペインのカードで行なわれる。
文●小川由紀子
大方の予想はNBAのスーパースター、ルカ・ドンチッチを擁するスロベニアの圧勝、というものだったが、3ポイントシュートが快調に決まったポーランドが序盤から優勢。それどころかどんどん差を広げ、ディフェンディングチャンピオン相手に第2クォーター終盤には最大23点ものリードを奪った。
しかしそのままワンサイドゲームで進むはずはなく、後半にスロベニアが反撃。前回王者はそれまで不発だった外のシュートも決まり出し、24-6と第3クォーター全体でビッグランを作った。さらに1点差で迎えた第4クォーター開始直後には、ゴラン・ドラギッチの得点で逆転に成功する。
ところが、さらに予想を裏切ったのは、ポーランドのそこからの復活だ。第3クォーター、前半好調だった3ポイントにすがり、無駄打ちしては相手にリバウンドを取られる悪循環に陥っていた彼らは、再び追いかける側になったことで落ち着きを取り戻す。堅実にゴールを狙いにいく本来のプレーで、また得点を積み上げていった。
ここで逆に焦り出したのはスロベニア側。前半からリズムに乗れていなかったドンチッチは、審判の笛にも苛立ちをつのらせるなど、明らかに本調子とは程遠かった。そしてなんと、逆転を許した残り3分に5ファウルで退場。不完全燃焼のままコートをあとにした。
スロベニアはその後も意地を見せたものの、相手の背中を捕らえ切れず。決勝でスロベニアと当たるのを避けたいドイツファンも相手の応援にまわり、会場中の声援を浴びながら王者の猛追をしのいだポーランドが、90-87で歴史的勝利を手に入れた。
勝利の立役者は、これが4回目のユーロバスケット出場となる同国のヒーロー、マテウス・ポニツカ。26得点、16リバウンド、10アシストと、1995年以降トニー・クーコッチ(クロアチア)とアンドレイ・マンダシェ(ルーマニア)の2人しか達成していないトリプルダブルの大活躍を見せた。
また、第3クォーターに点差を詰められている場面でも、「選手たちはやがて落ち着きを取り戻す」と信じて、タイムアウトをあえて取らずに辛抱強く耐えたイゴール・ミリチッチHC の采配も見事だった。
一方、前半に何度か背中からフロアに倒れ、左腰のあたりをさすっていたドンチッチは、後半は痛み止めの注射を打って臨んでいたことを明かした。しかし「それは理由にはならない。今日はひどいプレーだった。チームメイトを、応援してくれた国のみんなをがっかりさせてしまった。自分の責任だ。試合を見直して、改善点を探りたい」と謙虚に言葉を紡いだ。
セルビアのニコラ・ヨキッチ、ギリシャのヤニス・アデトクンボに続き、ドンチッチまでもが姿を消した波乱のユーロバスケット。準決勝は現地16日、ポーランド対フランス、ドイツ対スペインのカードで行なわれる。
文●小川由紀子
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