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「NBA入りしてからずっと聞いてきた」ハリスにトレードの噂も本人は“慣れっこ”?「ストレスを感じることもない」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.11.22

数年前までエンビード(左)に次ぐ2番手を務めたハリス(右)は、今季役割が減少。トレードの噂が浮上しているが、本人はまったく気にしていないようだ。(C)Getty Images

 ジョエル・エンビード、ジェームズ・ハーデンという二枚看板を擁しながら、今季のフィラデルフィア・セブンティシクサーズは開幕3連敗と出遅れ、16試合を終えてイースタン・カンファレンス8位の8勝8敗(勝率50.0%)。

 チームは今夏にPJ・タッカー、ディアンソニー・メルトン、ダヌエル・ハウスJr.を加えて戦力増強に成功しただけに、ここまでは期待外れの戦績と言っても仕方ない。

 もっとも、ハーデンは今月上旬に足のケガのため最低1か月の戦線離脱が発表されており、タイリース・マキシーも左足に小さな骨折が発覚し3~4週間の離脱。そしてエンビードも左足のかかととつま先の間を捻挫したことで、少なくとも2試合の欠場となった。

 今季はエンビードが平均32.3点、10.1リバウンド、4.6アシスト、1.8ブロック、マキシーが同22.9点、3.5リバウンド、4.4アシスト、ハーデンが同22.0点、7.0リバウンド、10.0アシスト、1.1スティールをあげており、彼らの離脱はチームにとって大きな痛手だ。

 そこで期待されるのは30歳のフォワード、トバイアス・ハリスだ。今季は平均14.7点、6.2リバウンド、2.9アシスト、1.6スティール、フィールドゴール46.2%、3ポイント39.7%(平均2.1本成功)を記録しているが、FG試投数(平均12.1本)と平均得点は過去5シーズンで最も低い数字となっている。

 今オフに契約を結んだ選手たちが現地時間12月15日からトレード可能になるため、『The Athletic』など複数の現地メディアがハリスをトレード候補としてピックアップ。今後ハーデンやマキシーが復帰することで、トレードトークはさらに過熱することが予想される。
 
 数年前までハリスは攻撃の第2オプションだったものの、今季はエンビード、ハーデン、マキシーに次ぐ第4オプションに降格。ボールを持つ機会が減り、思うようなプレーができていないが、本人は21日に『USA Today』へ公開された記事のなかで次のように語っていた。

「別に自分を失望させることじゃない。僕はビジネスだと理解している。どっちに転んでも、僕はコートに出て、毎日自分でコントロールできることをしていくだけ」

 30歳のハリスの今季年俸はチームトップの約3763万ドル(約53億583万円)で、契約最終年となる来季も約3927万ドル(約55億3707万円)と超高額。

 だがNBAでは超高額年俸の選手でも放出されることが頻繁にあり、なかにはそういった噂に悩まされて不調に陥る選手たちもいる。

 もっとも、ハリスにとってトレードトークに巻き込まれることは悩みの種ではないようだ。

「トレードの噂か。僕は実際のところ、NBA入りしてからずっと聞いてきた。別に目新しいことでもない。だからそれが悪影響を及ぼすこともないね。ストレスを感じることもないんだ」

 エンビード、ハーデンらの離脱で戦力ダウンは明白ながら、彼らの欠場中にハリスがステップアップしてチームを勝利に導ければ、この男に対する評価も変わるのではないだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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