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ブッカーが出場31分以下で51得点&FG成功率80%!進化を続ける26歳エースの原動力とは<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.12.01

ブルズ戦で今季自己最多の51得点を叩き出したブッカー。ウエスト首位のチームを力強く牽引している。(C)Getty Images

 現地時間11月30日、フェニックス・サンズがホームのフットプリント・センターでシカゴ・ブルズを132-113で下し、今季最長の6連勝を飾った。

 サンズは司令塔のクリス・ポールが右かかとを痛めて11試合連続で欠場しているほか、キャメロン・ジョンソン(ヒザ)、ジェイ・クラウダー(チームから離脱)と主力3選手が不在。それでも15勝6敗(勝率71.4%)でウエスタン・カンファレンスの首位を堅持している。

 その牽引役となっているのがデビン・ブッカーだ。28日のサクラメント・キングス戦で44得点、8リバウンド、4アシスト、6スティールの活躍を見せたエースは、この日のブルズ戦でさらに躍動。

「リムがいつもの2倍の大きさに感じた。打てば入るくらいにね」と振り返った通り、放ったショットが序盤から面白いようにリングへと吸い込まれていき、前半を終えて25得点。さらに迎えた第3クォーターに、一挙26得点の猛攻を披露した。

 最終クォーターを丸々休養にあてたブッカーは、最終的に30分40秒の出場時間で51得点。フィールドゴール成功率80.0%(20/25)、3ポイント成功率85.7%(6/7)、フリースロー成功率83.3%(5/6)と高精度なショットに加え、4リバウンド、6アシストの大暴れでサンズを完勝へと導いた。

 サンズはそのほか、ディアンドレ・エイトンが30得点、14リバウンド、3アシスト、2ブロック、ランドリー・シャメットとデイミオン・リーがベンチから各12得点をあげるなど、試合を通じてブルズに一度もリードを与えなかった。
 
 特にブッカーのインパクトは強烈で、24秒ショットクロックが導入された1954-55シーズン以降、31分以下のプレータイムで50得点以上を奪取したのはNBA史上8人目。試合最初の3クォーターで50得点&FG成功率80%をクリアしたのは、過去25年間でジェームズ・ハーデン(2017年11月5日/当時ヒューストン・ロケッツ所属)に次いで2人目の快挙だった。

 過去3年連続でオールスターに選ばれ、昨季はリーグトップの64勝に貢献して自身初のオールNBA1stチーム選出。選手としてさらなる成長が期待されている26歳のシューティングガードには、大きな原動力がある。30日に『The Athletic』へ公開された記事の中で、リスペクトするコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)が口にしていた言葉として、以下のように語った。

「そのことが僕を毎朝起き上がらせてくれる。それは若い人たちを奮い立たせることなんだ。子どもたちが成長していくうえで、『デビンのようになりたい。彼みたいな服を着たい。彼のようにプレーしたい』と思ってもらえるようにね。僕がその思いを見失ったことはない。それこそが僕の原動力になっているんだ」

 優勝候補の一角を占めるサンズでエースを務め、今ではNBA最高級のスコアラーとしての地位を確立したブッカー。チームを初優勝に導くという思いとともに、子どもたちの手本になりたいという強い意志が彼を突き動かしているのだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
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