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「チームの皆が共通認識を持つことが大事なんだ」シクサーズ加入2年目のハーデンが“ペース”の重要性を語る<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2022.12.13

ハーデンは12月11日のホーネッツ戦で19得点、9リバウンド、16アシストの活躍で勝利に貢献した。(C)Getty Images

 現地時間12月12日時点で、フィラデルフィア・セブンティシクサーズはイースタン・カンファレンス5位の14勝12敗(勝率53.8%)と、プレーオフ出場圏内にいる。

 イーストトップを争うほどではないが、序盤戦でジェームズ・ハーデン、タイリース・マキシーというスコアラー兼プレーメーカーが相次いで離脱していたことを加味すると、決して悪くない位置にいる。

 そんなシクサーズは、依然としてマキシーが不在ながら、11日のシャーロット・ホーネッツ戦で大黒柱ジョエル・エンビードが今季早くも2度目の50得点超え(53得点)に12リバウンド、3アシストと爆発し131-113で勝利。

 さらにハーデンが19得点、9リバウンド、16アシスト、トバイアス・ハリスが17得点、3スティール、ディアンソニー・メルトンが12得点、シェイク・ミルトンが11得点と続いた。

 この試合について、ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は「我々が走ることはなかった。だが自分たちのペースでプレーし、オープンショットを打てていた」と振り返っていた。

 1試合のポゼッション数を指すペースで、シクサーズはここまでリーグ27位の97.3。速い展開に持ち込むわけではないのだが、相手の攻撃を封じており、ここまでディフェンシブ・レーティングでリーグ4位の110.1を残している。

 ここで注目したいのはオフェンス面。ホーネッツに対し、シクサーズはチーム全体でフィールドゴール55.4%(46/83)、3ポイント48.1%(13/27)を記録。31アシストは今季2番目に多く、FG成功率も2番目タイ、3ポイント成功率も4番目と高確率でネットを射抜いた。

 プレーメーカー兼コンダクターとしてチームを引っ張るハーデンはペースの重要性をこう話す。
 
「俺は別に速いわけじゃない。でも俺にとってペースというのは、皆がフロアを進んでいくことにある。俺たちは自分たちがポゼッションごとにやろうとしていることを知っているからね。

 フロアを走り回ることじゃないんだ。俺たちは自分たちがやろうとしていることを理解し始めているところなんだ」

 今季のシクサーズには、9選手が平均18分以上のプレータイムを得ている。そのうち、5位のメルトン(同29.4分)、6位のPJ・タッカー(同29.0分)、9位のダヌエル・ハウスJr.(同18.4分)が新加入選手だ。

 そうした状況の中、ハーデンは自分たちのペースを確立していくことを目標に掲げていた。

「俺たちが常にそのことをできるようになれば、それが俺たちのペースになるんだ。3秒でやらなきゃいけない時や、20秒かけて取り組む時だってある。そこでチームの皆が共通認識を持ち、それぞれのスポットへ行くこと。そして常にそれぞれのポゼッションで達成しようとしていることを知ることが大事になってくるんだ」

 レギュラーシーズンはまだまだ続く。マキシーがケガから復帰しても、誰かが入れ替わりで離脱することがあるかもしれない。

 それでも、シクサーズで2年目を迎えたハーデンがチーム全員のことを把握し、自分たちのバスケットを確立させようと奮闘していることは、チームにとって間違いなくポジティブな要素と言えるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)
 
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