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NBA

「我々のモーターだ」指揮官も絶賛する天才PGリッキー・ルビオは、低迷するサンズを救い出せるか?

ダンクシュート編集部

2019.11.29

今季のルビオは得点とアシストのダブルダブルをすでに4試合で達成。ケガから復帰した27日のウィザーズ戦では18得点、4アシストを稼いだ。(C)Getty Images

今季のルビオは得点とアシストのダブルダブルをすでに4試合で達成。ケガから復帰した27日のウィザーズ戦では18得点、4アシストを稼いだ。(C)Getty Images

 過去3年連続でウエスタン・カンファレンス最下位に沈んでいるフェニックス・サンズだが、今季は一味違う。11月27日(日本時間28日)に八村塁の所属するワシントン・ウィザーズに敗れて8勝9敗と勝率5割を下回ってしまったものの、それでもまだプレーオフ進出圏内の8位につけている。その原動力になっている1人が、新加入のベテランポイントガードのリッキー・ルビオだ。

 サンズには昨季までの3シーズンで平均24.3点を記録し、今季もチームトップの平均24.9点をあげている点取り屋のデビン・ブッカー、アスレティック系スウィングマンのケリー・ウーブレイJr.、2018年ドラフト1巡目1位指名のディアンドレ・エイトン(薬物規定違反で25試合の出場停止処分を受けて欠場中)と若く有望なタレントが揃う。

 しかし、昨季までは彼らを使いこなすことができる司令塔がいなかった。

 そのなかで、パスを第1に考えるゲームメーカーが入ったことでチームが効率化。17試合終了時点で平均得点はリーグ6位の114.8(前年は23位)、平均失点も同12位の112.5(前年は28位)と攻守で“ルビオ効果”が現われている。

 開幕5勝2敗の好スタートに陰りが見られた要因は、ルビオが背中の故障で4試合(1勝3敗)を欠場したこと。それまでスコアリングに専念していたブッカーに負担が増え、攻撃が上手く回らない場面が多発。11月21日に対戦したニューオリンズ・ペリカンズのアルビン・ジェントリー・ヘッドコーチ(HC)は、「ルビオはすべての面で原動力だ」と司令塔不在の影響を指摘していた。
 
 ルビオが4試合ぶりに復帰したウィザーズ戦では、その存在の大きさが垣間見えた。相手が身長の低いアイザイア・トーマスと見るやポストアップを仕掛け、勝負所では3ポイントをヒット。守備でもトーマスから2連続でオフェンスファウルを誘発している。

 ルビオが不在の時間帯は攻撃力で勝るウィザーズ相手にノーガードの打ち合いと単調になってしまい、モンティ・ウィリアムズHCも「ゲームが速すぎた」と課題を挙げている。しかし、復帰戦は黒星となったが、彼をコートに立たせることができれば、ゲームコントロールの問題は解消されるだろう。

 ウィリアムズHCはルビオに絶対の信頼を置く。

「リッキーは攻守で多くのものを生み出してくれる。彼は攻撃のペースを上げることができ、コート上でプレーをコールできる。ディフェンスでも正しいコミュニケーションが取れる。彼は我々のモーターだ」

 14歳でプロデビューし、“スペインの神童”と呼ばれた逸材も今年で29歳を迎えた。より円熟味を増した天才PGが、サンズを低迷期から救い出すシナリオに期待したい。

構成●ダンクシュート編集部
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