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“拳銃チラ見せ”で謹慎中のモラントをシャックが糾弾「周囲の人間もイエスマンではいけない」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.03.10

実力は申し分ないモラントだが、コート外の問題行動でチームを離脱。精神面の成長が必要だ。(C)Getty Images

 メンフィス・グリズリーズのジャ・モラントは、現地時間3月3日に敵地で行なわれたデンバー・ナゲッツ戦後、クラブに繰り出してインスタグラムのライブ配信中に拳銃をちらつかせる問題行動により現在謹慎処分中。復帰時期は未定となっているなか、殿堂入り選手のシャキール・オニールは「お前はラッパーじゃない」と糾弾している。

 モラントは昨夏、自宅の庭で友人たちとピックアップゲームをプレーした際に17歳の少年の顔面を複数回殴り、拳銃を見せたとも伝えられている。ほかにも、メンフィスのショッピングモールで警備員を脅迫、インディアナ・ペイサーズ戦後に友人たちと相手チームの選手に向けてレーザーを照射するなど、問題行動が指摘されていた。

 そういった背景もあるなか、クラブでの時間を楽しむモラントが銃をちらつかせる動画がネット上で瞬く間に拡散。代理人を通じて「昨夜の行動はすべて自分に責任がある。家族、チームメイト、コーチ、ファン、パートナー、メンフィスの都市、そしてグリズリーズの組織を失望させてしまい、申し訳なく思っている。少し時間を取って、ストレスと健康に対処するための方法を学ぶつもりだ」と声明を発表した。

 グリズリーズは最低2試合の欠場を発表していたが、テイラー・ジェンキンスHCは「これは継続的な治療のプロセスであり、このような状況にタイムテーブルはない」とコメント。その後、コロラド州のグランデール警察はモラントが銃規制の法律に違反した可能性がないか捜査。刑事告発するほどの証拠はなかったとして、刑事責任を問わないことを発表した。
 
 警察の声明が出された直後、グリズリーズはモラントが少なくともあと4試合は欠場すると発表。復帰は最短でも3月17日のサンアントニオ・スパーズ戦以降になる。

 レギュラーシーズンも佳境を迎えるなか、現役時代に怪物センターとして鳴らしたシャックは、米テレビ局『TNT』の番組『NBA on TNT』で「お前はラッパーじゃない。NBAプレーヤーだ」と厳しく指摘した。

「ライブ配信なんてしていなければ、彼が武器を持っていることも、こんな話を俺たちがすることもなかった。なぜストッリプクラブでシャツを着ていないんだ? なぜ武器を持ち歩いているんだ? なぜライブ配信を始めたんだ? 一生懸命積み上げてきたものを一瞬で失うことはやめないといけない」

 シャックは元々、モラントの実力を高く評価してきた1人。それだけに「彼自身でやったということは忘れてはいけない。多くのサポートを受けているし、周囲の人間もイエスマンではいけない。俺は自分の仲間が好きだけど、いつも議論して言い争っている。でも、みんな俺を守ってくれる。『お前の人生はそんなものじゃない。そんなことをする必要はないから忘れろ』とね」と、モラントが周囲に甘やかされているのではないか、との懸念にも触れている。

 元NFL選手で、現在はコメンテーターやパーソナリティーとして人気を博すシャノン・シャープも「友人でいるのはいいことだが、父親になることも必要だ。息子が何か悪いことをしたら、そばで叱って、間違っていると言わないといけない」と語っている。23歳のモラントは、メンタル面でも大人になれるだろうか。

構成●ダンクシュート編集部
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