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「人生をかけて一生懸命やってきた」苦難の末に掴んだ優勝に感極まったマレー「あらゆることが頭を駆け巡った」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2023.06.13

試合中は冷静沈着にプレーを続けていたマレーだが、優勝決定後に感極まって涙を流す場面が見られた。(C)Getty Images

 現地時間6月12日(日本時間13日)にコロラド州デンバーのボール・アリーナで行なわれたNBAファイナル第5戦。ホームのデンバー・ナゲッツは94-89でマイアミ・ヒートを下し、シリーズ4勝目(1敗)をあげて初のNBAチャンピオンに輝いた。

 試合終了後に思わず涙を流し、感情を爆発させていたナゲッツのジャマール・マレーは、2021年4月に左ヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂する大ケガを負ったことで昨季はシーズン全休。そして心身ともに向上させて今季から復帰し、3年ぶりのプレーオフで相棒のニコラ・ヨキッチとともにナゲッツを引っ張ってみせた。

 この日、14得点、8リバウンド、ゲームハイの8アシストをマークしたナゲッツの切り込み隊長は優勝について「言葉で表現するのは本当に難しいな。今でも自制することさえできてないよ。今はただ夢のようだよ」と語り、ケガから復帰するまでの道のりをこう振り返っていた。

「人生をかけて、僕は一生懸命やってきた。バスケットボール選手なら誰もがこの舞台に立ってプレーし、この瞬間を味わいたいものなんだ。(ACL断裂から)リハビリに入って、最初の1、2か月間は歩くこともできず、階段を上るのもままならなくて、本当に長かったんだ。あらゆることが頭のなかを駆け巡ったよ」
 
 また、プロ入りからナゲッツ一筋のマレー&ヨキッチと苦楽を共にし、就任8シーズン目で初優勝を成し遂げたマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は、「すべてのハードワーク、犠牲、献身が最高潮に達したことで、チャンピオンシップを勝ち取ることができたんだ」と喜びを露わに。

 そしてボール・アリーナへ駆けつけた1万9537人のファンへ向けて「私から皆さんへニュースがある。我々は1度じゃ満足していない。もっと勝ちたい。我々はもっと勝ちたいんだ」と、複数回の優勝を目指していることを明かした。

 ナゲッツはファイナル全試合に出場したローテ―ションメンバーのうち、ヨキッチ、マレー、マイケル・ポーターJr.、アーロン・ゴードン、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、クリスチャン・ブラウンが来季も契約下にいる。

 今夏はスウィングマンのブルース・ブラウンの来季契約がプレーヤーオプション、36歳のベテランのジェフ・グリーンが完全FA(フリーエージェント)になるものの、主要メンバーは健在だけに、来季、連覇を狙うチャンスは十分あるだろう。

文●秋山裕之(フリーライター)

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