2022-23シーズンのNBAチャンピオンとファイナルMVPにデンバー・ナゲッツのセンターであるニコラ・ヨキッチが輝いたことは、近年のポジションレスバスケットを象徴する出来事と言っていいかもしれない。
しかし、元NBA選手のジャマール・クロフォードは、怪物センターとして1990年代~2000年代に一世を風靡したシャキール・オニール(シャック)が現代でプレーしたとしても無双していただろうと見解を述べている。
ヨキッチは身長211cm・129kgのビッグマンでありながら、一流ポイントガードを彷彿させるパスセンスを備えた“ポイントセンター”で、今季は平均24.5点、リーグ2位の11.8リバウンド、同3位の9.8アシストをマーク。キャリア8年目で辿り着いた初のファイナルではマイアミ・ヒートを4勝1敗で下して、ナゲッツに球団初のタイトルをもたらした。
クロフォードは、米スポーツキャスターのダン・パトリック氏が司会を務めるポッドキャスト番組『The Dan Patrick Show』に出演した際、ナゲッツのチームスタイルを高く評価。選手のオールラウンダー化が進むなかで、ヨキッチはその代表格と見立てつつ、インサイド勝負のクラシックなセンターとして一時代を築いたシャックは、仮に現代でプレーしていてもリーグを支配していただろうと推察する。
「まず、今は正真正銘のセンターはいないから、シャックにパワーフォワードのような役割を与えるだろう。だから、彼はやりたい放題だったに違いない。(ゴールデンステイト・ウォリアーズの)ケボン・ルーニーはシャックを止められない。ケボンを悪く言うつもりはないけど、シャックはあのフィジカルな時代ですでに最も支配的だった。今だったら、高校時代からポイントガードのスキルを自分に落とし込んで、習得しようとさえしているかもしれない」
シャックが現役時代(1992~2011)に戦場としていたのはペイント内で、ミドルシュートやロングシュートは打たず、フリースローも不得意だった。それでも、ロサンゼルス・レイカーズ時代の1999~2003年はまさに無双状態で、4年間で平均28.3点、12.1リバウンド、2.6ブロックを記録するとともに、リーグ優勝3回を果たした。
本格派センターとして名を馳せ、殿堂入りもしているカリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか)、アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)、デイビッド・ロビンソン(元サンアントニオ・スパーズほか)が3ポイントを打てていたら、という過程の話には、クロフォードは「センターみんなが3ポイントを打つ必要はない」と切り返している。
「ドワイト・ハワードはキャリア晩年で3ポイントを打ち始めていたけど、インサイドを支配すればいい。私はシャックに3ポイントは絶対打ってほしくない。ティム・ダンカンにもステップバックの3ポイントは打ってほしくないね」
シャックは以前、『the Scoop B Radio Podcast』でビッグマンたちがインサイドで勝負しなくなったことに、「ビッグマンという肩書きは、5番(センター)のポジションにいる選手のことだろ? 世間が『ビッグマンはシュートも打てる』と言っているのを聞いた。ゲームは進化しているけど、俺たち古い世代のビッグマンは、それを進化とは見ていない。俺たちは今の傾向をソフトだと思っている。みんなインサイドでバチバチに勝負したがらないからね」と厳しい見解を示していた。
「シャックが現代でプレーしていたら…」このシナリオの結果は神のみぞ知るが、シャックの支配力は時代の風潮を凌駕するものであるというクロフォードの主張も一理あるかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
【PHOTO】ロッドマン、ジョーダン、アイバーソン、シャック…NBA史に残る偉大なレジェンドたち!
しかし、元NBA選手のジャマール・クロフォードは、怪物センターとして1990年代~2000年代に一世を風靡したシャキール・オニール(シャック)が現代でプレーしたとしても無双していただろうと見解を述べている。
ヨキッチは身長211cm・129kgのビッグマンでありながら、一流ポイントガードを彷彿させるパスセンスを備えた“ポイントセンター”で、今季は平均24.5点、リーグ2位の11.8リバウンド、同3位の9.8アシストをマーク。キャリア8年目で辿り着いた初のファイナルではマイアミ・ヒートを4勝1敗で下して、ナゲッツに球団初のタイトルをもたらした。
クロフォードは、米スポーツキャスターのダン・パトリック氏が司会を務めるポッドキャスト番組『The Dan Patrick Show』に出演した際、ナゲッツのチームスタイルを高く評価。選手のオールラウンダー化が進むなかで、ヨキッチはその代表格と見立てつつ、インサイド勝負のクラシックなセンターとして一時代を築いたシャックは、仮に現代でプレーしていてもリーグを支配していただろうと推察する。
「まず、今は正真正銘のセンターはいないから、シャックにパワーフォワードのような役割を与えるだろう。だから、彼はやりたい放題だったに違いない。(ゴールデンステイト・ウォリアーズの)ケボン・ルーニーはシャックを止められない。ケボンを悪く言うつもりはないけど、シャックはあのフィジカルな時代ですでに最も支配的だった。今だったら、高校時代からポイントガードのスキルを自分に落とし込んで、習得しようとさえしているかもしれない」
シャックが現役時代(1992~2011)に戦場としていたのはペイント内で、ミドルシュートやロングシュートは打たず、フリースローも不得意だった。それでも、ロサンゼルス・レイカーズ時代の1999~2003年はまさに無双状態で、4年間で平均28.3点、12.1リバウンド、2.6ブロックを記録するとともに、リーグ優勝3回を果たした。
本格派センターとして名を馳せ、殿堂入りもしているカリーム・アブドゥル・ジャバー(元レイカーズほか)、アキーム・オラジュワン(元ヒューストン・ロケッツほか)、デイビッド・ロビンソン(元サンアントニオ・スパーズほか)が3ポイントを打てていたら、という過程の話には、クロフォードは「センターみんなが3ポイントを打つ必要はない」と切り返している。
「ドワイト・ハワードはキャリア晩年で3ポイントを打ち始めていたけど、インサイドを支配すればいい。私はシャックに3ポイントは絶対打ってほしくない。ティム・ダンカンにもステップバックの3ポイントは打ってほしくないね」
シャックは以前、『the Scoop B Radio Podcast』でビッグマンたちがインサイドで勝負しなくなったことに、「ビッグマンという肩書きは、5番(センター)のポジションにいる選手のことだろ? 世間が『ビッグマンはシュートも打てる』と言っているのを聞いた。ゲームは進化しているけど、俺たち古い世代のビッグマンは、それを進化とは見ていない。俺たちは今の傾向をソフトだと思っている。みんなインサイドでバチバチに勝負したがらないからね」と厳しい見解を示していた。
「シャックが現代でプレーしていたら…」このシナリオの結果は神のみぞ知るが、シャックの支配力は時代の風潮を凌駕するものであるというクロフォードの主張も一理あるかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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