6月21日(日本時間22日、日付は以下同)、NBAではボストン・セルティックス、ワシントン・ウィザーズ、ロサンゼルス・クリッパーズが絡んだ3チーム間トレードが合意直前まで進んでいたが、結局破談に終わり、交渉はストップするかと思われた。
しかし、クリッパーズに代わってメンフィス・グリズリーズが参戦したことで、元オールスタービッグマンのクリスタプス・ポルジンギスがセルティックスへ移籍する取引が成立。これによりグリズリーズは、セルティックスからマーカス・スマートを獲得した。
このトレードでは計7選手と複数のドラフト指名権が動いたが、最も衝撃だったのはスマートのセルティックス退団だろう。
2014年のプロ入りからセルティックス一筋でプレーしてきた29歳は、フィジカルを生かした攻撃的な守備を武器に不可欠な存在に成長。9年連続でプレーオフへ駒を進めてきたチームの精神的支柱となった。
7月2日に米メディア『CLNS』へ公開されたインタビューのなかで、スマートは6月中旬にセルティックスのバスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)のブラッド・スティーブンス、ジョー・マズーラHC(ヘッドコーチ)と会談の場を持っていたと明かし、キャリア初のトレードについて次のように語っていた。
「ものすごくショックだった。(トレードの)1週間くらい前に、すでに彼らから僕に関するトレード話はないと聞いていたんだ。僕らは大丈夫だと思っていたからね」
セルティックス側も、苦渋の決断だったのだろう。一昨季にNBAファイナルまで勝ち上がり、優勝を目指して迎えた2022-23シーズン、セルティックスはカンファレンス決勝でマイアミ・ヒートに3勝4敗で敗れたものの、頂点を狙えるだけの豪華戦力を有していた。
だがチームはビッグマン強化のためにポルジンギスを補強。スマートはジャ・モラントを中心に、若手有望株を多数揃えるグリズリーズへ移籍することとなった。
「ビジネスであるのは理解している。これまでずっとそういった世界にいたんだからね。個人的なこととビジネスを一緒にしてはいけないし、それはやっちゃいけないことだ。(このトレードも)ビジネスなんだとね。彼らはおそらく僕のトレードを考えていたんだと思う。これまで成立しなかっただけなんだ」とスマートは言う。
実際、スマートは毎年のようにトレードの噂が挙がっていた。本人が語るようにNBAではトレードもビジネスの一部であり、それがチームの戦力増強や選手の成長を後押しすることもある。
現代ではスーパースターがチームへトレードを要求することも多く、フリーエージェント戦線で移籍が当然のような流れとなり、ドラフトされたチームで長い間プレーし続けることはレアケースとなっている。
そのため、スマートは「このチーム、組織のことは大好きだ。それに9年間も僕のことをサポートしてくれたファンのみんなを愛している」とセルティックスへの感謝を口にしつつ、「今の僕はグリズリーズで新しい生活を始めることで活気に満ちているし、ワクワクしている」と、気持ちを切り替えているようだった。
セルティックスのハート&ソウルとして人気を博したスマート。次のシーズン、ボストンの凱旋試合で地元ファンは彼をスタンディングオベーションで迎えるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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しかし、クリッパーズに代わってメンフィス・グリズリーズが参戦したことで、元オールスタービッグマンのクリスタプス・ポルジンギスがセルティックスへ移籍する取引が成立。これによりグリズリーズは、セルティックスからマーカス・スマートを獲得した。
このトレードでは計7選手と複数のドラフト指名権が動いたが、最も衝撃だったのはスマートのセルティックス退団だろう。
2014年のプロ入りからセルティックス一筋でプレーしてきた29歳は、フィジカルを生かした攻撃的な守備を武器に不可欠な存在に成長。9年連続でプレーオフへ駒を進めてきたチームの精神的支柱となった。
7月2日に米メディア『CLNS』へ公開されたインタビューのなかで、スマートは6月中旬にセルティックスのバスケットボール運営部代表兼ゼネラルマネージャー(GM)のブラッド・スティーブンス、ジョー・マズーラHC(ヘッドコーチ)と会談の場を持っていたと明かし、キャリア初のトレードについて次のように語っていた。
「ものすごくショックだった。(トレードの)1週間くらい前に、すでに彼らから僕に関するトレード話はないと聞いていたんだ。僕らは大丈夫だと思っていたからね」
セルティックス側も、苦渋の決断だったのだろう。一昨季にNBAファイナルまで勝ち上がり、優勝を目指して迎えた2022-23シーズン、セルティックスはカンファレンス決勝でマイアミ・ヒートに3勝4敗で敗れたものの、頂点を狙えるだけの豪華戦力を有していた。
だがチームはビッグマン強化のためにポルジンギスを補強。スマートはジャ・モラントを中心に、若手有望株を多数揃えるグリズリーズへ移籍することとなった。
「ビジネスであるのは理解している。これまでずっとそういった世界にいたんだからね。個人的なこととビジネスを一緒にしてはいけないし、それはやっちゃいけないことだ。(このトレードも)ビジネスなんだとね。彼らはおそらく僕のトレードを考えていたんだと思う。これまで成立しなかっただけなんだ」とスマートは言う。
実際、スマートは毎年のようにトレードの噂が挙がっていた。本人が語るようにNBAではトレードもビジネスの一部であり、それがチームの戦力増強や選手の成長を後押しすることもある。
現代ではスーパースターがチームへトレードを要求することも多く、フリーエージェント戦線で移籍が当然のような流れとなり、ドラフトされたチームで長い間プレーし続けることはレアケースとなっている。
そのため、スマートは「このチーム、組織のことは大好きだ。それに9年間も僕のことをサポートしてくれたファンのみんなを愛している」とセルティックスへの感謝を口にしつつ、「今の僕はグリズリーズで新しい生活を始めることで活気に満ちているし、ワクワクしている」と、気持ちを切り替えているようだった。
セルティックスのハート&ソウルとして人気を博したスマート。次のシーズン、ボストンの凱旋試合で地元ファンは彼をスタンディングオベーションで迎えるに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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