2022－23シーズンのBリーグMVPがワールドカップの舞台で躍動した。

　８月27日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の大会３日目、初戦でFIBAランキング11位のドイツに敗れた日本（同36位）は、第２戦でNBA選手のラウリー・マルッカネン（ユタ・ジャズ）率いる同24位のフィンランドに98－88で勝利を収めた。

　日本は第１クォーターで22－15と７点リードで終えるも、第２クォーターに試合をひっくり返され、36－46と10点ビハインドで後半戦へ。
  　しかし日本は後半、富樫勇樹と原修太（ともに千葉ジェッツ）に代えて河村勇輝（横浜ビー・コルセアーズ）と比江島慎（宇都宮ブレックス）をスタートで起用。第３クォーターを27－27のタイスコアで乗り切ると、第４クォーターに35ー15と一気に畳みかけ、フィンランド相手に鮮やかな逆転勝利を収めた。

　歴史的勝利の立役者となったのが、昨季、史上最年少でBリーグのMVPに輝いた河村だ。

　22歳の司令塔は25分間の出場で25得点、９アシスト、出場時の得失点差は＋12と見事なパフォーマンスでヒーローとなった。

　試合後、河村は「会場にいる皆さんの声援と、画面越しで応援していただいた皆さんのおかげで乗り切ることができました。本当にありがとうございました」とファンに感謝の言葉を述べた。

　172cmの司令塔は試合残り７分から３ポイント４本に３点プレーを成功させ15得点と勝負所で躍動。「最近ずっとシュートが入らなくて、本当にチームに迷惑をかけてきたんですけど、トムさん（トム・ホーバスHC）とチームメイトが信頼してくださって、その思いが詰まったシュートだったと思います」と回想した。

　日本の勝利後、大会前に「（国際大会で）連敗が続けば代表引退」と発言していた渡邊雄太(フェニックス・サンズ)の目には涙が浮かんでいたが、河村は「雄太さんのこの大会に懸ける思いというのは、皆さんも知っていると思いますし、絶対この大会に勝って引退させたくないという気持ちが本当にあります」と、先輩への思いと日本バスケの歴史を変えたいという強い気持ちを語った。

　１次ラウンドの成績を１勝１敗としたFIBAランキング36位の日本は、29日の最終戦で同３位のオーストラリア（１勝１敗）と対戦する。格上相手に厳しい戦いが予想されるが、次戦も日本の若きプレーメーカーの躍動に期待したい。

構成●ダンクシュート編集部

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