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「こちらでは“スーパーハード”にプレーする必要がある」フランス在住ケンバ・ウォーカーが語るNBAと欧州の違い<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2023.12.24

ウォーカーはここまで13試合の出場で平均11.1分、4.3点。期待されたほどの成績は残せていないが、新天地でのプレーを楽しんでいるようだ。(C)Getty Images

 今オフ、12シーズン在籍したNBAを離れて、ユーロリーグに参戦するフランスのモナコに入団したケンバ・ウォーカー。4度のオールスター出場(2017~20年)を誇るスターガードの参入に欧州バスケ界は湧いたが、数年前からトラブルを抱えている左ヒザの不調により10月初頭の開幕に出遅れ、第3節のレッドスター戦でようやくデビューした後も、10分前後の出場にとどまっている。

 それでも、12月20日に行なわれた第15節のパナシナイコス戦では15分弱のプレータイムで13得点、3リバウンド、2アシスト。試合はパナシナイコスがブザービーターの3ポイントで劇的な逆転勝利を飾ったが、ウォーカー自身は今後の活躍を期待させるプレーを披露した。

 そんな33歳の元オールスターが、1996年のユーロリーグ得点王でNBA経験もあるリトアニア系アメリカ人、ジョー・アルラウカスがホストを務めるポッドキャスト『CROSSOVER』の最新エピソードに出演。モナコでの充実した日々について語っている。

 まず、ここ数年悩まされている左ヒザの問題については「タフ」だと語るが、「長い間プレーしていれば、それだけケガをする機会が増えるということでもある。けれど、バスケットボールへの愛情や、プレーすることで得られる喜びが、そうした厳しい状況から自分を救ってくれている。バスケは僕の人生に最も喜びを与えてくれるものだからね」と、プロ13年目のベテランらしいコメント。モナコでの素晴らしいサポートにも助けられているという。
 
 また本人は、「ヨーロッパでいずれプレーするかも」という考えは、まったくなかったわけではないらしい。

「実際にヨーロッパでプレーしている仲間もいるし、NBAでもフランス人のチームメイトとは何人も一緒にプレーしていたから、ヨーロッパに対するイメージは自分の中にはあった」とウォーカー。

 その中の1人、シャーロット・ホーネッツ時代に共闘し、現在は同じフランスリーグでしのぎを削るアスベルの会長トニー・パーカーとは、フランスでの再会を喜びあったそうだ。

 さらにウォーカーのデビュー戦となった10月18日のレッドスター戦では、コネティカット大学時代にともにNCAA優勝を勝ち取った2年後輩のシャバズ・ネイピアーと対戦するという縁もあった。

「彼は自分にとっては弟みたいな存在で、しょっちゅう連絡を取り合っている。試合の前にも話す機会があって、ハグして互いの健闘を誓い合った。『よし、絶対に彼を倒すぞ!』って燃えたよ」と振り返った。

 ウォーカーのユーロリーグデビュー戦は、10分19秒の出場で2得点、2リバウンド、1アシストという試運転にとどまったが、試合は接戦の末、6点差でモナコが制した。そして実際にプレーを始めて2か月が経過した今、NBAとの違いをウォーカーは「試合数にともなう熱量の違い」だと描写する。
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「印象としてはカレッジバスケに近い感じだ」