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NBA

審判の賄賂を示唆する“マネーポーズ”で罰金10万ドル。ゴベアはスポーツ賭博が定番化するリーグに警鐘「そうあるべきじゃない」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.03.22

“マネーポーズ”で罰金を喰らったゴベアだが、それはある特定の審判に向けられたものだった。(C)Getty Images

“マネーポーズ”で罰金を喰らったゴベアだが、それはある特定の審判に向けられたものだった。(C)Getty Images

 現地3月8日に行なわれたミネソタ・ティンバーウルブズ対クリーブランド・キャバリアーズ戦の終盤、ルディ・ゴベアが退場となったシーンが一部で波紋を呼んだ。

 第4クォーター残り30秒、97-96とウルブズ1点リードの場面。アンソニー・エドワーズが放ったジャンパーがリムに当たって落ちると、リバウンドを競り合ったジャレット・アレンの首の周りに手を回すような形で押さえ込んだゴベアに対し、審判はファウルをコールした。

 このクォーターだけで4回目のファウル。計6回目で退場となったゴベアは、両手の指をすり合わせる、いわゆる“マネーポーズ”で主審のスコット・フォスターに対する不信感をアピール。フォスター本人は後ろを向いていてこのジェスチャーを目撃していなかったが、副審らの報告により、即座にゴベアにテクニカルファウルが科された。

 試合後、ゴベアは「自分のリアクションは正しかった。ただ、タイミングがまずかった」と弁明。

 試合はこのテクニカルファウルで得たフリースローをキャブズのダリアス・ガーランドが決めて同点に持ち込むと、オーバータイムの末に9点差で勝利を手にした。“たられば”を語るのは無意味とはいえ、テクニカルファウルがなければウルブズが逃げ切り勝ちしていた可能性もあっただけに、確かにタイミングは最悪だった。
 
 体調不良のクリス・フィンチHC(ヘッドコーチ)に代わって指揮を執ったマイカ・ノリAC(アシスタントコーチ)も、両軍合わせて45ものファウルがコールされた試合展開にはフラストレーションを露わにしつつも、ゴベアの行為については「残り27秒でテクニカルファウルを取られるというのはあってはならないこと。彼の苛立ちは理解できる。しかしもっと賢く振る舞う必要がある」と苦言を呈した。

 ゴベアには10万ドル(約1470万円)の罰金が科せられたが、通常なら高くても3万ドルほどの罰金がこれほどの額になったのは、これまでの度重なる審判批判を考慮したものであるという。

 ゴベアは昨年3月、フェニックス・サンズに敗れた試合のあとも、「レフェリーは、自分たちのような商業的なマーケットの小さいチームには勝ってほしくないのだ」といった発言をして2万5000ドルの罰金を喰らっている。

 しかしおそらく理由はそれだけではなく、“レフェリーによる賄賂を示唆する”という、NBA側がもっとも神経を尖らせている類のものだったことが、厳罰につながったのは想像に難くない。
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