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銃の不法所持、暴行事件――問題児のポーターJr.がギリシャのクラブと契約。新たな挑戦に本人は「きっといいものになる」<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.04.06

ポーターJr,は開幕前にサンダーから解雇されて以降、無所属の状態が続いていたが、今回ギリシャのPAOKと契約を結んだ。(C)Getty Images

 銃器不法所持や恋人への暴行事件といったオフコートの問題で世間を賑わせていたケビン・ポーターJr.。23歳のスラッシャーは昨年10月にヒューストン・ロケッツからオクラホマシティ・サンダーへトレード後、すぐに解雇されて無所属の状態となっていたが、ギリシャリーグのPAOKと今季終了までの短期契約を結び、コートに復活することになった。

 米スポーツ専門メディア『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者が、このニュースをX(旧ツイッター)に投稿したのが4月1日だったこともあり、バスケファンや欧州メディアの間では「エイプリルフールのジョークか?」と勘繰る声もあがったが、クラブの公式サイトが正式に発表。ポーターJr.は、テッサロニキを拠点とする名門クラブの一員となった。

 サザンカリフォルニア大出身のポーターJr.は、2019年のNBAドラフトでミルウォーキー・バックスから1巡目30位で指名され、トレード先のクリーブランド・キャバリアーズからデビュー。4シーズンで通算196試合に出場して平均15.3点、4.3リバウンド、5.0アシスト、ヒューストン・ロケッツに移籍した2年目の2020-21シーズンはGリーグでプレーする機会も多かったが、4月のミルウォーキー・バックス戦では50得点、11アシストをマークし、50点+10アシスト超えを同時にクリアしたリーグ最年少選手にもなった。
 
 そんな有望株の23歳での欧州挑戦は、普通ならあり得ないキャリアパスだが、冒頭に挙げた事件や、ロッカールームでの暴力行為といった問題行動が原因で、NBAでは"扱いにくい選手"になっていた。

 欧州のバスケ専門サイト『Basket News』によれば、サンダーから解雇された後、NBAの球団からのオファーを待ち続けていたが、今年に入ってから実戦でプレーする姿を披露するのが最大のアピールになるとの決断に至り、欧州方面を専門とするエージェントに相談。

 そこでヨーロッパのバスケのレベルが高いとアドバイスを受け、欧州クラブへの移籍を視野に、3月から本格的なトレーニングを再開していた。

 スペインのACBリーグなど、いくつかの欧州リーグはすでに移籍マーケットが閉鎖していたため、可能性はギリシャかトルコに限られ、最終的にPAOKと話がまとまった。

 PAOKのゼネラルマネージャーのミカリス・ヤナキディスが同サイトに語ったところでは、ポーターJr.の代理人から提示された金額があまりに高額で、最初は"お話にならない"レベルの交渉だったようだが、その後両者が歩み寄り、公表はされていないものの、ここからシーズン終了までの約1か月間、試合に出場するという保証つきで、約15000ドルでまとまった模様だ。
 
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本人は「この機会を得られたことに感謝している」