175㎝と小柄ながら非凡な得点力を誇り、2010年代にボストン・セルティックスなどで活躍したアイザイア・トーマスは、今年3月に古巣フェニックス・サンズと契約を結び、2022年以来2年ぶりとなるNBA復帰を果たした。
現在35歳のトーマスは、カイリー・アービングやクレイ・トンプソン、カワイ・レナード、ジミー・バトラーが指名された11年のドラフトの最終指名選手(2巡目60位)としてサクラメント・キングスに入団。ルーキーイヤーからコンスタントに2桁得点をあげ、3年目には平均20点(20.3)の大台に乗せた。
2014-15シーズンの途中にトレードで加入したセルティックスではエースを務め、16、17年には2年連続でオールスターに出場。16-17シーズンには自己ベストにしてリーグ3位の平均28.9点に5.9アシストの活躍でオールNBAセカンドチーム入り。同年のプレーオフでは1試合53得点を叩き出すなど圧巻のパフォーマンスで、チームをカンファレンス決勝まで導いている。
ただ、その後は股関節のケガで輝きを失いジャーニーマン化。21-22シーズンにシャーロット・ホーネッツでプレーしたのを最後にNBAの舞台から遠ざかっていた。
それでも毎年リーグ復帰を目指してトレーニングに励み、今年の3月5日にGリーグのソルトレイクシティ・スターズに入団し、デビュー戦から3試合連続で30得点以上をマーク。その実力をアピールすると、3月20日にサンズと10日間契約を結び、4月9日にシーズン終了までの契約を手にした。
今夏にFA(フリーエージェント)となるトーマスは、『NBC Sports Boston』に、「あと数年はリーグにいるつもりさ。息子たちが高校に上がるまであと2、3年。(その後は)彼らの成長に全力を注ぎたいんだ」と今後のビジョンを語った。
さらに12年のNBAキャリアで平均17.5点、4.8アシストをマークする“小さな巨人”は、次のように続けた。
「(NBAで)最低でも14年はプレーしたいんだ。僕の目標は、NBA最小の選手として最も長いキャリアを持つ、マグジー・ボーグスを超えることさ。それは今でも究極の目標だし、それを必ず達成するつもりだ。マラソンは続くのさ」
ボーグスは160㎝・64㎏という体格面のハンデを物ともせず、1987年~2001年までホーネッツやトロント・ラプターズなどでプレー。持ち前のスピードで大男たちを手玉に取り、通算6726アシストは歴代25位、1369スティールは歴代68位とNBAで大きな成功を収めた。
以前トーマスはボーグスを「ロールモデル」と語っていた。自身に大きな影響を及ぼした偉大なレジェンドを上回るべく、35歳のベテランの挑戦は続く。
構成●ダンクシュート編集部
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