昨季のプレーオフ、マイアミ・ヒートは第8シードからイースタン・カンファレンスを勝ち上がり、NBAファイナル進出を果たした。
今季もレギュラーシーズンをイースト8位の46勝36敗(勝率56.1%)で終え、昨年同様に第8シードでプレーオフに臨んだが、ファーストラウンドでボストン・セルティックスに1勝4敗で敗退。チームは要のジミー・バトラーとテリー・ロジアーをケガで欠き、シリーズ平均92.2点、フィールドゴール成功率43.8%、3ポイント成功率32.9%とオフェンス面で奮わずに早期敗退となった。
シーズン終盤やプレーオフに入ると、多くの選手が身体のどこかにケガを抱えながらプレーするものだが、ヒートは特に顕著だった。セルティックスとのシリーズでは主力2人に加え、ダンカン・ロビンソンも故障を抱えて出場時間の制限を余儀なくされていた。
現地時間4月29日に行なわれたシリーズ第4戦の前、ロビンソンは「僕なら出場可能さ。チームが勝つためにできることならなんだってやる。今は1試合1試合を戦うだけだ」と話していた。
だが第4戦でロビンソンがコートに立ったのはわずか2分52秒。第5戦でシリーズ最長の17分28秒プレーしたとはいえ、5試合で平均11.9分の出場にとどまり、2.6点、1.0リバウンド、1.2アシストにフィールドゴール成功率31.3%、3ポイント成功率23.1%と不完全燃焼のまま終わった。
ヒートが誇るピュアシューターを悩ませたのは、3月18日のフィラデルフィア・76ers戦で負った背中のケガだった。5試合の欠場後に復帰したが、シーズン最後の4試合を欠場。診断は左椎間関節症候群で、シーズン中に100%のコンディションまで回復することはなかった。
とはいえ、ドラフト外から這い上がり、ヒートの主力まで上り詰めた30歳の苦労人は今季、“ただのシューター”から完全に脱皮したと言える。
6年目の今季は68試合(先発36試合)の出場で平均28.0分、12.9点、2.5リバウンドにキャリアハイの2.8アシストをマーク。持ち前の3ポイントは成功率39.5%で平均2.8本(187本)を沈めたほか、ボールハンドラーとしてプレーメーキングもこなし、活躍の幅を広げた。
その成長が表れたのが2月26日のサクラメント・キングス戦。ヒートはバトラーやロジアー、タイラー・ヒーローといったキープレーヤーを複数欠くなかで勝利(121-110)を収めた。
この試合でロビンソンは38分36秒プレー。自身はフィールドゴール成功率9.1%(1/11)で4得点とショットが絶不調だったものの、キャリアハイの11アシストを残し、出場時の得失点差で両軍最多の+25を叩き出した。
5月22日、ロビンソンは地元メディア『Miami Herald』に公開された記事の中で「僕は30歳になったばかりなんだ。クレイジーだね」と切り出すと、自身の成長について次のように語っている。
「しかしもっとクレイジーなのは、僕はまだ完成形には程遠いと思っていることだ。おそらく、多くの人が28歳くらいが(NBA選手の)全盛期と言うだろう。けど僕は、自分の全盛期はまだこれからだと感じている」
コートを走り回り、一撃必殺の長距離砲を仕留める仕事人は、もともと相手チームに警戒されるアウトサイドシューターではあった。だが学ぶことをやめず、キャリアを重ねるごとに進化を続けている。現時点でもドラフト外選手として大成功を収めているが、ロビンソンが現状に満足することは決してなさそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
“ドラフト外の星”ロビンソンが偉業達成!ヒート球団記録を塗り替えるも「期待も予想もしてなかった」と謙遜<DUNKSHOOT>
今季もレギュラーシーズンをイースト8位の46勝36敗(勝率56.1%)で終え、昨年同様に第8シードでプレーオフに臨んだが、ファーストラウンドでボストン・セルティックスに1勝4敗で敗退。チームは要のジミー・バトラーとテリー・ロジアーをケガで欠き、シリーズ平均92.2点、フィールドゴール成功率43.8%、3ポイント成功率32.9%とオフェンス面で奮わずに早期敗退となった。
シーズン終盤やプレーオフに入ると、多くの選手が身体のどこかにケガを抱えながらプレーするものだが、ヒートは特に顕著だった。セルティックスとのシリーズでは主力2人に加え、ダンカン・ロビンソンも故障を抱えて出場時間の制限を余儀なくされていた。
現地時間4月29日に行なわれたシリーズ第4戦の前、ロビンソンは「僕なら出場可能さ。チームが勝つためにできることならなんだってやる。今は1試合1試合を戦うだけだ」と話していた。
だが第4戦でロビンソンがコートに立ったのはわずか2分52秒。第5戦でシリーズ最長の17分28秒プレーしたとはいえ、5試合で平均11.9分の出場にとどまり、2.6点、1.0リバウンド、1.2アシストにフィールドゴール成功率31.3%、3ポイント成功率23.1%と不完全燃焼のまま終わった。
ヒートが誇るピュアシューターを悩ませたのは、3月18日のフィラデルフィア・76ers戦で負った背中のケガだった。5試合の欠場後に復帰したが、シーズン最後の4試合を欠場。診断は左椎間関節症候群で、シーズン中に100%のコンディションまで回復することはなかった。
とはいえ、ドラフト外から這い上がり、ヒートの主力まで上り詰めた30歳の苦労人は今季、“ただのシューター”から完全に脱皮したと言える。
6年目の今季は68試合(先発36試合)の出場で平均28.0分、12.9点、2.5リバウンドにキャリアハイの2.8アシストをマーク。持ち前の3ポイントは成功率39.5%で平均2.8本(187本)を沈めたほか、ボールハンドラーとしてプレーメーキングもこなし、活躍の幅を広げた。
その成長が表れたのが2月26日のサクラメント・キングス戦。ヒートはバトラーやロジアー、タイラー・ヒーローといったキープレーヤーを複数欠くなかで勝利(121-110)を収めた。
この試合でロビンソンは38分36秒プレー。自身はフィールドゴール成功率9.1%(1/11)で4得点とショットが絶不調だったものの、キャリアハイの11アシストを残し、出場時の得失点差で両軍最多の+25を叩き出した。
5月22日、ロビンソンは地元メディア『Miami Herald』に公開された記事の中で「僕は30歳になったばかりなんだ。クレイジーだね」と切り出すと、自身の成長について次のように語っている。
「しかしもっとクレイジーなのは、僕はまだ完成形には程遠いと思っていることだ。おそらく、多くの人が28歳くらいが(NBA選手の)全盛期と言うだろう。けど僕は、自分の全盛期はまだこれからだと感じている」
コートを走り回り、一撃必殺の長距離砲を仕留める仕事人は、もともと相手チームに警戒されるアウトサイドシューターではあった。だが学ぶことをやめず、キャリアを重ねるごとに進化を続けている。現時点でもドラフト外選手として大成功を収めているが、ロビンソンが現状に満足することは決してなさそうだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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