パリ五輪

「物議を醸す判定がフランスに有利に働いた」大金星を逃した日本に米同情。“不可解判定”に「ホームクッキング」と皮肉【パリ五輪】

THE DIGEST編集部

2024.07.31

日本は試合終了直前にファウルを取られて同点に追い付かれ、延長戦の末に力尽きた。(C) Getty Images

 厳しいファウル判定が物議を醸している。

 現地7月30日、パリ五輪は男子バスケットボールの1次リーグが行なわれ、B組第2戦の日本(世界ランク26位)は開催国のフランス(同9位)と対戦し、延長戦の末に90-94で敗れた。チームは後半残り10秒までリードしながら追いつかれ、大金星を逃した。

 完全アウェーの雰囲気のなか、あと一歩及ばなかった。日本は第4クウォーター残り5分を切ったなかで、河村勇輝が4点プレーとレイアップで逆転(78-77)に成功。若き司令塔の猛パフォーマンスでNBAプレーヤーを擁するスター軍団を敗北寸前まで追い詰めたが、残り10秒でフランスのマシュー・ストラゼルの3ポイントが決まり、さらに河村のファウルが吹かれてバスケットカウントに。このフリースローを決められ、土壇場で同点に追い付かれ延長に持ち込まれてしまった。

 5分間の延長ではフランスの地力が勝り、日本は最後まで善戦したが力尽きた。

 大金星は幻となった日本。その敗因のひとつに、終盤の大黒柱の退場劇が挙げられている。最終クウォーターで日本が2点差に迫った直後のプレーだ。ここまで24得点3リバウンドと、攻守で躍動した八村がゴール下で相手のシュートに対して腕を出して防ごうとした。ここで、レフェリーは笛を吹き、八村のプレーがビデオ判定となった。八村は「なぜだ!」と言わんばかりの困惑した表情を浮かべる。結果は「アンスポーツマンライクファウル」。すでに同じファウルをひとつ受けていたため、八村はまさかの退場となった。大黒柱の不在が、結局最後は響いた形となった。
 
 だがこの退場劇について、バスケットボールに目の肥えた米メディアは疑問を呈している。スポーツやカルチャーなど、最新のエンタメ情報などを配信している米ニュースサイト『BroBible』は「オリンピックのバスケットボールの視聴者は、日本対フランス戦の審判に激怒した」との痛烈な見出しを打ち、この試合のレフェリングに批判的だ。

 同メディアは「大差をつけられた開催国が延長戦を制して逃げ切ったのを見て、彼らは『ホームクッキング』と叫んでいる」と紹介。フランスの勝利が予想されたなか、「日本は一歩も引かなかった」と注目し、「現ロサンゼルス・レイカーズのルイ・ハチムラが、試合の大半でチームをけん引した。このフォワードは16本中10本のシュートを決め、そのうちの3本は3ポイントシュートだった」と、八村のプレーは別格だったと称えた。

 ところが、「最後の数秒、日本は4点のリードを保っていたが、またしても物議を醸す判定がフランスに有利に働いた。彼らが同点に追いつくチャンスを与えるファウルがコールされたのだ」と指摘している。日本が4点リードして迎えた後半終了間際、フランスのストラゼルが3ポイントシュートを狙ったとき、河村がチェックしにいく。これがリングに吸い込まれると同時に笛が吹かれ、日本はバスケットカウントを取られた。河村のチェックが体に接触したと判定される厳しめなジャッジで、相手にフリースローが与えられて日本は同点に追い付かれた。勝敗を決する場面だっただけに、同メディアはこのシーンを疑問視している。

 一歩及ばず大金星を逃した日本。初の決勝トーナメント進出に向け、勝利が絶対条件となる第3戦(8月2日)は世界ランク12位のブラジルと対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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