アメリカ代表(FIBAランキング1位)は現地時間8月6日に行われたパリ五輪の準々決勝でブラジルを122-87で一蹴し、ベスト4に駒を進めた。大会5連覇に向けて順調な歩みを進めるなか、元NBA選手のポール・ピアースはスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の采配を疑問視している。
グループリーグ初戦でセルビアに110-84で勝利したアメリカは、続く南スーダン戦も103-86でモノにして決勝トーナメント進出を確定。第3戦のプエルトリコ戦も104-83と制して3連勝を飾った。
金メダル獲得に向けて順調に見えるが、話題を呼んだのがセルビアとの初戦でジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)とタイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)が起用されなかったこと。
カーHCは、ふくらはぎの痛みで大会前のエキシビションマッチをすべて欠場したケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)のプレー時間を増やすための采配だったと強調したが、セルティックスOBのケンドリック・パーキンスは『ESPN』の番組『First Take』で、「ジェイソン・テイタムを軽視し、恥をかかせてはいけない。選手は逃げることも隠れることもできない。テイタムが恥ずかしくなかったはずがない」と指揮官を批判していた。
同じくセルティックスのOBで、2002年の世界選手権(現ワールドカップ)に出場経験のあるピアースも『Fox Sports 1』の番組『Undisputed』で、セルティックスの後輩であるテイタムが初戦で出番がなかったことに見解を述べている。
「屈辱的だとは思わない。平手打ちを食らったようなものだ。そして、カーHCは次の試合(南スーダン戦)でジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)を起用せず、自分を正当化しようとした。『私は(2022-23シーズンの)MVPをベンチに座らせたんだ。あれはそういうことじゃない』という感じでね。古き良きセルティックスへの憎悪だろう。それだけさ」
テイタムは南スーダン戦とプエルトリコ戦はスタメン起用され、それぞれ4得点、10得点、10リバウンド、ベンチ出場となったブラジル戦では5得点、3リバウンドという成績だった。2022-23シーズンには平均30.1点をマークし、現代NBAを代表するスコアラーだけに、テイタムを使わない選択肢はないとピアースは説く。
「彼は(昨季のNBAで)優勝した直後だ。3年連続でオールNBA1stチームに選出されている。それが何を意味するか。地球上で5本の指に入るベストプレーヤーなんだ。この3年間、ずっとね。それなのに試合に出られないだって? テイタムは誰とでもマッチアップでき、すべてのポジションを守れるだけの運動能力を備えている」
アメリカは8月8日には準決勝でセルビアと再び対戦予定。はたして、テイタムはどのように起用されのか。
構成●ダンクシュート編集部
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