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NBA

2004年のピストンズ優勝に貢献した守備職人が“伝説のブロック”を回想「私にとっては完璧なシチュエーションだった」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.09.13

プリンスの“ザ・ブロック”を捉えた1枚。この試合を制したピストンズは最終的に頂点まで駆け上がった。(C)Getty Images

プリンスの“ザ・ブロック”を捉えた1枚。この試合を制したピストンズは最終的に頂点まで駆け上がった。(C)Getty Images

 現役時代にディフェンスのスペシャリストとして名を馳せ、2004年にはデトロイト・ピストンズの一員としてリーグ優勝に貢献したテイショーン・プリンス。14年のNBAキャリアのハイライトのひとつとも言える“伝説のブロック”について、20年の月日を経て振り返っている。

 プリンスは2002年のドラフト全体23位指名でケンタッキー大からピストンズに入団。2年目の2003-04シーズンにレギュラーの座を掴み、82試合にフル出場(先発80試合)して平均10.3点、4.8リバウンド、2.3アシストをマークするとともに、チームの14年ぶりとなるリーグ優勝に貢献した。

 翌2004-05シーズンからは4年連続でオールディフェンシブ2ndチームに選出。リーグ指折りの守備職人として地位を確立し、キャリア終盤はメンフィス・グリズリーズ、ボストン・セルティックス、ピストンズ復帰を経て、ミネソタ・ティンバーウルブズと渡り歩いた。

 そんなプリンスのハイライトのひとつが、2004年のプレーオフ、インディアナ・ペイサーズと対戦したイースタン・カンファレンス決勝第2戦で見せた“The Block”だ。

 プリンスはポッドキャスト番組『The Knuckleheads』に出演した際、語り継がれるプレーが生まれた背景にはチャンシー・ビラップス、リチャード・ハミルトン、ラシード・ウォーレス、ベン・ウォーレスと実力者が揃っていた当時のチーム状況が関係していたと話している。
 
「リーグでトップ2のディフェンシブチームの対戦だった。私は自分のやることをやっただけだ。リップ(ハミルトン)とチャンシーがペリメーターの得点源だったから、バランスを取るために何ができるかを考えていたんだ。だから私は、常にディフェンスやリバウンド、そのほかのポゼッションを得るなど、小さなことをやるだけだった」

 第1戦を落としていたピストンズは69-67とリードして迎えた第4クォーター残り17.9秒、ビラップスのターンオーバーからペイサーズにカウンターを食らう。ペイサーズの38歳レジー・ミラーがフリーでレイアップを狙い、同点になるかと思いきや、背後から猛然と追いかけてきたプリンスが左手でクリーンブロックを炸裂させてピンチをしのいでみせた。

 リードを守り切ったピストンズは最終的に72-67で勝利。当時のプレーを振り返ったプリンスは、ミラーのある傾向からブロックできる自信があったという。

「私にとっては完璧なシチュエーションだった。ミラーはダンクが好きじゃなかったからね。彼を追いかけている間、ずっとそのことが頭にあった。『彼はダンクを好まない。ファウルをしなくて済むいいチャンスだ』と思った。絶対に止められると思ったよ。ゴールテンディングにならないよう、(ボールが)バックボードに当たる前にキャッチできるかどうか、時間の問題だったんだ。ほかのゲームでも、大学でも、高校でもそうしてきたから、私にとってあの瞬間は時計仕掛けのようだった」

 シリーズの流れを引き寄せ、その後の優勝へ弾みをつけたといっても過言ではない会心のプレー。今後も“伝説のブロック”として語り継がれていくだろう。

構成●ダンクシュート編集部
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