現地時間９月24日、来月上旬にアラブ首長国連邦（UAE）の首都アブダビで開催される「NBAアブダビゲームズ2024」を控えるボストン・セルティックスが、他チームより一足早くメディアデーを行なった。

　昨季のセルティックスは、リーグ史上最多18度目のNBAチャンピオンとなった。優勝に大きく貢献しファイナルMVPに輝きながら、今夏のパリ五輪でアメリカ代表入りを逃したジェイレン・ブラウンに対して「オリンピックでロスター入りできなかったことをどう感じていますか」という質問が飛び、「最初の質問がそれかよ（笑）」と笑い声が飛び交うスタートとなった。

　その後ブラウンは「ちょっとくらいウォームアップさせてくれよ」と返しつつ、「準備はできている。過去は過去のことであり、このチームのみんなを引っ張って、ケミストリーを構築していく準備をしている。どんなステップであろうと避けたりはしない。新しい年に向けて方向づけていく。俺には明確な理由があるからやる気に満ちているよ」と意気込みを述べた。

　一方、ファイナルでいずれもチームトップの平均40.2分、22.2点、7.8リバウンド、7.2アシストを残しながらMVPを逃したジェイソン・テイタムも、特別な想いを持って今季を迎えている。
  　初のリーグ制覇を成し遂げて迎えた今オフは、大人気ゲーム「NBA 2K」シリーズの最新作『NBA 2K25』のカバーアスリートに選ばれ、チームとNBA史上最高額となる５年３億1400万ドル（当時のレートで約505億5400万円）のスーパーMAX契約を結ぶなど、スーパースターの仲間入りを果たした。

　ただ、パリ五輪では2021年の東京大会に続いて金メダルを手にしたものの、６試合のうち２試合で出場機会なし、４試合で平均17.7分、5.3点、5.3リバウンド、1.5アシストと不完全燃焼に終わっていた。

「あの時は辛かった。そこでジョー（マズーラHC）とたくさん話したんだ。おそらくジョーは世界で最もハッピーな人だった。だって僕がオリンピックで２試合もプレーしなかったんだからね。おかしな話ではあるけど、ジョーのことを知っていればわかってくれるはずさ」

　テイタムがそう語ると、翌25日にトレーニングキャンプ初日を終えたマズーラHC（ヘッドコーチ）は、パリ五輪で味わった“ローテーション外”という経験が、テイタムを向上させる一助になるだろうと語った。

「彼はまだ26歳だ。このリーグですでにたくさんのことを成し遂げてきたが、一歩引いてみて、そのことに感謝する機会になったんだ。彼には（NBAキャリアが）あと10年か12年、いや14年も残っている。

　我々はまだベストな彼を見ていないと思っている。それだけ彼は一生懸命やっているし、上手くなろうとしている。あの経験が彼をさらなるハードワークへ導くことになったのなら、素晴らしいことだと思う」