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NBA

「序盤で多くの苦労や試練があった」ビラップスが波乱万丈のNBAキャリアを回想「周囲が何を言っても信じなかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.10.13

今年殿堂入りを果たしたビラップスが、現役時代(左)を振り返った。(C)Getty Images

今年殿堂入りを果たしたビラップスが、現役時代(左)を振り返った。(C)Getty Images

 現地時間10月12日(日本時間13日、日付は以下同)、2024年のバスケットボール殿堂入りメンバーがコネチカット州アンキャスビルへ集結し、ポートレート写真の撮影や記者会見に応じた。

 彼らは翌13日にマサチューセッツ州スプリングフィールドにあるシンフォニー・ホールで行なわれる式典へ出席するが、この日はヴィンス・カーター(元トロント・ラプターズほか)の殿堂入りを祝福すべく、ノースカロライナ大の大先輩でスーパースターのマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が駆けつけて抱き合うシーンもあった。

 今年の殿堂入りメンバーはカーターのほか、ロサンゼルス・レイカーズで5度の優勝を飾った守備巧者マイケル・クーパー、フェニックス・サンズで球団最多の通算1万5666得点を誇るウォルター・デイビス(2023年11月に逝去)らがいるのだが、ここではチャンシー・ビラップス(元デトロイト・ピストンズほか)のコメントを紹介しよう。

 ビラップスは1997年のドラフトで、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、キース・ヴァン・ホーン(元ニュージャージー・ネッツほか)に次いで全体3位でボストン・セルティックスから指名されてNBA入り。

 ドラフトで最も注目度が高いのは、やはり1位指名選手だが、3位指名のスーパースターも数多い。レジェンドでは1984年のジョーダン、2001年のパウ・ガソル(元レイカーズほか)、2003年のカーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)がおり、現役にも2009年のジェームズ・ハーデン(現ロサンゼルス・クリッパーズ)、2014年のジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、2017年のジェイソン・テイタム(セルティックス)らがいる。
 
「キャリア序盤で、私には多くの苦労や試練があった。ある時点でそういった非難は正しかったと思う。だけど自分は周囲が何を言っても信じなかった」

 会見でそう語ったように、ビラップスはルーキーシーズンの途中にトレードされ、99年1月、2000年2月にもトレードを経験。キャリア最初の5シーズンで計5チームに在籍した。

 それでも、2000-01シーズンから2年間プレーしたミネソタ・ティンバーウルブズでチャンスを掴み、2002年に加入したピストンズで不動の主力に。2004年には司令塔兼リーダーとしてチームを3度目の優勝に導き、ファイナルMVPに選出された。

 接戦時の終盤に強さを発揮することから“ミスター・ビッグショット”の異名を取った男は、ポイントガードとしては屈強な肉体(191cm・95kg)を武器に、ゲームをコントロールしながら要所で点を奪い、チームが苦しい時間帯ではファウルを誘ってフリースローで繋ぐ巧さもあった。

「ゲームに対する情熱を持ち、自分の能力のすべてを捧げてきたけど、すぐに奏功することはなかった。それでも集中力を維持し、謙虚な姿勢を保ち続けたんだ。とにかく戦い続けたし、もがき続けた。そこでようやく好転したんだ」(ビラップス)

 オールスターに5度、オールNBAチームに3度、オールディフェンシブチームに2度名を連ねたビラップスは、現在ポートランド・トレイルブレイザーズで指揮を執っている。

 2021年のヘッドコーチ就任後、ブレイザーズは3シーズン連続でプレーオフから遠ざかるなど低迷を続けている。それでも、現役時代に様々な試練を乗り越えてきたビラップスならば、いつかチームを好転させることができるはずだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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