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河村勇輝は「このチームのエナジー」。加入1か月でメンフィスの人気者となった日本人PGを同僚たちが語る<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.11.01

早くもチームメイトや地元ファンの人気者となっている河村勇輝。(C)Getty Images

 現地時間10月31日、メンフィス・グリズリーズはホームのフェデックス・フォーラムでミルウォーキー・バックス相手に最大31点差をつけ、122-99で快勝。連敗を2で止めた。

 ウエスタン・カンファレンス7位の3勝3敗としたグリズリーズは、今季チーム3位の平均18.8点に5.4リバウンドをマークするデズモンド・ベインが腹斜筋、平均5.6点、2.8アシスト、1.20スティールを残すマーカス・スマートが足首を負傷し、先発2選手を欠いてこの試合を迎えた。

 それでも、エースのジャ・モラントが26得点、10リバウンド、14アシストのトリプルダブルと躍動。さらにサンティ・アルダマが19得点、9リバウンド、ジェイレン・ウェルズが16得点、7リバウンド、スコッティ・ピッペンJr.が16得点、ジャレン・ジャクソンJr.が13得点、5リバウンドを残すなど、計7選手が2桁得点をあげる全員バスケットでバックスを粉砕した。

 この日、現地アメリカはハロウィンを迎え、2WAY契約でチームに帯同している河村勇輝は忍者の仮装でソーシャルメディアを賑わせた。試合では第4クォーター残り2分55秒に地元ファンの歓声を浴びてコートイン。残り1分21秒に放った3ポイントはリングを捕らえられず、ここまで計4試合の出場で得点はゼロが続いている。
 
 ただ、コート内のパフォーマンスに関わらず、日本代表のポイントガード(PG)は加入から約1か月で現地のファンやメディア、チームメイトたちのハートを掴んでいるようだ。

 30日に地元メディア『Memphis Commercial Appeal』に公開された記事には、173cm・72kgの小兵が早くもファンお気に入りの選手になったと綴られていた。

 2度のオールスター選出を誇るリーダーのモラントとは、わずか1日でハンドシェイクを交わし、良好な関係を構築。両選手のやり取りはチームメイトたちから見ても際立っていて、ジェイ・ハフは「2人がやる行ないが面白い」、ブランドン・クラークも「見ていて楽しいよ。彼らは相棒みたいでね。まるで2つの異なる個性がぶつかり合っているみたいなんだ」と語る。

 超人的な身体能力で相手守備陣を突破し、得点やアシストを量産するモラントが絶対的な先発PGなのに対し、河村は3番手のPG。チーム内、リーグにおける立ち位置は大きく異なるが、両者は試合中のベンチで隣に座るなど画面越しから観ても仲が良さそうで、2番手PGのピッペンJr.は河村を「このチームのエナジー」と評していた。
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河村の良き兄貴分となっているモラント