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「彼の成功は自分のことのように嬉しい」同郷のゴベアとウェンバンヤマの間にあるのは“ライバル心”ではなく“兄弟愛”<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2024.11.06

パリ五輪でも共闘したウェンバンヤマ(左)とゴベア(右)。今季初対決はウェンバンヤマ率いるスパーズに軍配があがった。(C)Getty Images

 現地時間11月2日に行なわれたミネソタ・ティンバーウルブズとサンアントニオ・スパーズの一戦は、113-103でホームのスパーズが勝利し、シーズン3勝目(4敗)をあげた。

 この日はウルブズのルディ・ゴベア(216㎝)とスパーズのヴィクター・ウェンバンヤマ(224㎝)のフランス代表センター対決が実現。

 23分間で10得点、3リバウンド、1アシストをあげたゴベアに対し、ウェンバンヤマは31分間で17得点、6リバウンド、3アシスト、2ブロックと数字上では後輩ウェンバンヤマがより試合にインパクトを与え、スパーズの勝利に貢献。しかし、ゴベアもウェンバンヤマのガードをしのいでダンクを決めるなど、ウルブズの屋台骨として奮闘を見せた。

 試合後にゴベアは、「(ウェンバンヤマは)オリンピックの経験から多くのことを学んだように思う」とコメント。

「FIBA(国際大会)のバスケットはよりスペースが限られた中でプレーすることに加え、ボールを持っていない時のコンタクトにレフェリーは寛大な面もある。そうした中でより果敢に挑んでいくことを覚えたことで、彼の持つ真価がより発揮されてきたように思う。彼はまだ若いが、すでにコンタクトプレーはかなり向上して、あらゆるタイプのフィジカルプレーに対応できるようになってきている」
 
 今夏のパリ五輪でフランス代表を率いたヴァンサン・コレHC(ヘッドコーチ)は、決勝トーナメント以降はゴベアとウェンバンヤマのツインタワーを解消してガーション・ヤブセレ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)を起用。センターにはゴベアではなくウェンバンヤマを起用した。

 代表ではポジションを争った両者だが、「2人の間にライバル意識はない」とゴベアは常々語っている。

 このスパーズ戦後の会見でも記者から同じ質問を受けると、ウェンバンヤマより12歳年上のゴベアは、2人の間にあるのはライバル心ではなく兄弟愛であると強調した。

「もし本当にライバル関係にあるなら、彼にアドバイスを授けて、彼の成長を助けたりはしないと思う。自分は彼に対して兄貴のような感覚があって、彼の成功は自分のことのように嬉しいんだ。自分が達成できなかったことは、彼に実現してほしいと願っている。だから彼のために自分ができることがあれば、何でもしてあげたいと思っているよ」

 キャリア2年目でスパーズの不動のエースとなったウェンバンヤマだが、まだ20歳の若者。チームは異なるとはいえ、同じリーグに同郷出身で頼れる先輩がいることは心強い限りだろう。

文●小川由紀子

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