NBA

パリ五輪でローテ外…“因縁”のカーHC率いるウォリアーズに敗戦もテイタムは泰然自若「特に考えていなかった」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2024.11.08

ウォリアーズに敗れて連勝は止まったが、テイタム率いるセルティックスは今季も上位を走っている。(C)Getty Images

 現地時間11月6日、ボストン・セルティックスがホームのTDガーデンにゴールデンステイト・ウォリアーズを迎えた一戦は、ジェイソン・テイタムの"リベンジ・ゲーム"として注目されていた。

 テイタムは今夏のパリオリンピックで、NBA優勝チームのトップスコアラーながらアメリカ代表のローテーションから外れた。6試合のうち2試合で出場機会なし、最終的に金メダルを手にしたとはいえ、大会平均17.7分のプレータイムで、5.3点、5.3リバウンド、1.5アシストの成績に終わっていた。

 アメリカ代表の指揮を執ったのはウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)だったことから、試合前からセルティックスのファンは容赦ないブーイングを浴びせた。

 ジェイレン・ブラウンを左股関節屈筋の張り、クリスタプス・ポルジンギスを足の故障で欠くなか、テイタムは第3クォーターだけで17得点を稼ぎ、ゲームハイの32得点に4リバウンドとチームを牽引。

 もっとも、試合は第4クォーター残り6分半時点で7点をリードしていたセルティックスが、ウォリアーズの反撃に遭い劣勢に立たされる。逆転を許したあとの残り47秒にはバディ・ヒールドの3ポイントで逆に7点差をつけられ、112-118で逆転負けを喫した。
 
 5連勝のウォリアーズはステフィン・カリーが27得点、7リバウンドにゲームハイの9アシストと4スティールと躍動。さらにヒールドが16得点、6リバウンド、アンドリュー・ウィギンズが16得点、カイル・アンダーソンが11得点、5リバウンド、4アシスト、ジョナサン・クミンガが10得点、ドレイモンド・グリーンが9得点、6リバウンド、4アシスト、ケボン・ルーニーが10リバウンドと続いた。

 カーHCは前半にテイタムをフィールドゴール成功率28.6%(2/7)の8得点に抑えたウィギンズの好守を高く評価していた。

「今夜のウィグズは見事だった。ちょっとスロースタートだったけど、ジェイソンに対するディフェンスは本当に集中していた。できるだけタフな状況へ持ち込もうとしていた。それでもジェイソンは素晴らしかったし、後半で爆発したけど、ウィグズは彼に対して本当にいい仕事をしていたと思う」

 一方、パリ五輪の"リベンジ失敗"に終わったテイタムだが、その件はこの一戦には持ち込まなかったと試合後に明かした。

「特に考えていなかった。また次の試合、新たな機会へ向けてやっていくだけ。できる限りベストな選手になるために努力していくさ」
NEXT
PAGE
キャリアを重ね、精神面で成長を遂げたテイタム