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NBA

史上初の高卒ドラ1、クワミ・ブラウンはなぜNBAで大成できなかったのか?元同僚が原因を指摘「彼は何もしたがらなかった」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2024.12.05

ブラウンは脇役としては悪くなかったが、ドラ1選手としては期待外れと言わざるを得なかった。(C)Getty Images

ブラウンは脇役としては悪くなかったが、ドラ1選手としては期待外れと言わざるを得なかった。(C)Getty Images

 クワミ・ブラウンは2001年に高卒ビッグマンとして鳴り物入りでワシントン・ウィザーズに加入したが、歴代でも“大成しなかったドラフト1位指名選手”の代表格として不名誉なレッテルを張られている。

 ウィザーズの共同オーナー兼バスケットボール運営責任者だったマイケル・ジョーダンの猛プッシュもあり、ブラウンは01年のドラフト全体1位指名でプロ入りした。高卒ルーキーが全体1位指名を受けるのはNBA史上初の出来事だった。

 しかし、ルーキーイヤーは57試合(先発3試合)、平均14.3分の出場で4.5点、3.5リバウンド、フィールドゴール成功率38.7%とドラ1としては物足りない数字に終わる。2年目の02-03シーズンは80試合に出場するも、平均7.4点、5.3リバウンドとセカンドユニットから抜け出せなかった。3年目にようやく先発の座を掴み、74試合で平均10.9点、7.4リバウンド、1.5アシストの成績を残したが、これがキャリアハイの数字だった。

 05年にトレードでロサンゼルス・レイカーズに放出され、その後メンフィス・グリズリーズ、デトロイト・ピストンズ、シャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、フィラデルフィア・セブンティシクサーズと渡り歩き、30歳だった12-13シーズンでNBAキャリアは終了。通算607試合で平均6.6点、5.5リバウンド、ドラフト1位指名選手の中でもワーストクラスの失敗例と揶揄された。
 
 元NBA選手のギルバート・アリナスは、03-04シーズン、04-05シーズンにブラウンと共闘。05年にブラウンが『ESPN』に「ギルバートが僕を試合に出さないでくれ、と言ったことから問題は始まったんだ」と確執を告白し、「銃を持った大馬鹿野郎」とも糾弾。当時、アリナスは「それはヘッドコーチの決定。俺はコーチでもGM(ゼネラルマネージャー)でもない」と起用法への関与を否定していた。

 アリナスは自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、「知ったつもりになっているから知識を受け入れない。それが問題なんだ」と元同僚を厳しく指摘した。

「彼の問題は、スキルがなかったことじゃない。何もしたがらなかったことだ。挑戦して失敗するのが怖い、というところまで行ってしまった」

 同番組にゲスト出演したラシャード・マキャンツも、05年のドラフト全体14位で指名されたが、NBAキャリアは4年と短命に終わった。自身の経験も基に「バスト(時間の無駄・失敗などの意)という言葉は、期待に応えられなかった人間にとっては、とても刺激的なトリガーワードなんだ。期待されていながら、それを裏切った時の反動を理解できない人間もいるが、本当にトラウマになる。俺は“バスト”と呼ばれる者の心情がわかる」と語っていた。

 アリナスは22年6月にも、YouTube番組『djvlad』のインタビューで、「正直、俺たちは友人じゃない。彼はとんでもないヤツだ。悪いゲームをすることに溺れている。それがキャリア13年間で6600万ドルしか稼げなかった理由だ」と、ブラウンについて率直な意見を口にしていた。

 こと選手としてのキャリアは、ドラフト2巡目指名からオールスター出場やオールNBAチーム入りを経験したアリナスの方が上だけに、ブラウンとしては反論の余地がないかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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